三項間漸化式の解き方(下)と常用対数利用型漸化式

前回【数列の漸化式の解き方第六回:三項間漸化式の解き方(上)】に引き続き、

今回は三項間漸化式の解き方で、特性方程式の解が重解になってしまう場合の一般項の求め方と、

常用対数を利用するタイプの漸化式の解き方を紹介していきます。

これまでの第一回〜第六回は→「数列の漸化式シリーズ一覧」よりご覧下さい!

三項間漸化式の解き方(下)

早速例題から始めます。

$$例題1:a_{n+2}-10a_{n+1}=-25a_{n},a_{1}=1,a_{2}=10$$

この数列の一般項{An}を求めよ。

$$まずは、前回同様a_{n+2}=x^{2},a_{n+1}=x,a_{n}=1$$

として特性方程式を解いていきます。

$$\begin{aligned}x^{2}-10x+25=0\\
( x-5) ^{2}=0\end{aligned}$$

より、x=5

$$従って、a_{n+2}-5a_{n+1}=5( a_{n+1}-5a_{n}) $$

・・・しか作れません。解が2つある時は2本の式を連立して、A[n+2]を消していきました。

が、今回はその方針が使えません。

重解を持つ三項間漸化式の<解決策>

こういう場合には、一旦原点に立ち戻って

$$a_{n+2}-5a_{n+1}=5( a_{n+1}-5a_{n}) の式をよく見てみます。$$

すると、これまで何度も繰り返してきた、等比数列帰着型の漸化式になっている事が分かります。

$$つまり、b_{n}=a_{n+1}-5a_{n}と置いて、$$

$$b_{n+1}=5b_{n}の形にすることが出来ます。$$

$$ここで\begin{aligned}b_{1}=a_{2}-5a,\\
=10-5\\
b_{1}=5\end{aligned}$$

{bn}は公比5、初項5の等比数列であるので、

$$\begin{aligned}b_{n}=5\cdot 5^{n-1}\\
b_{n}=5^{n}\end{aligned}と表せます$$

$$更に、先ほどb_{n}=a_{n+1}-5a_{n}と置いたので、$$

$$\begin{aligned}a_{n+1}-5a_{n}=5^{n}\\
a_{n+1}=5a_{n}+5^{n}\end{aligned}$$

この漸化式は以前解いたことのあるタイプです!「

n乗を含む漸化式の解法

詳細は上のリンクよりご覧下さい。

解法としては、両辺を5n+1で割ることで、等差数列型に帰着できるのでした。

$$\frac {a_{n+1}}{5^{n+1}}=\frac {5\cdot a_{n}}{5\cdot 5^{n}}+\frac {5^{n}}{5^{n+1}}$$

$$\frac {a_{n+1}}{5^{n+1}}=C_{n+1}$$

$$\frac {a_{n}}{5^{n}}=C_{n}として、$$

$$C_{n+1}=C_{n}+\frac {1}{5},C_{1}=\frac {1}{5}とおけるので、$$

$$\begin{aligned}C_{n}=\frac {1}{5}+\frac {1}{5}( n-1) \\
C_{n}=\frac {n}{5}\end{aligned}$$

$$C_{n}=\frac {a_{n}}{5^{n}}=\frac {n}{5}$$

$$a_{n}=5^{n-1}\cdot n$$

この様に、三項間漸化式は特性方程式の解によって2通りの解法があります。

しかしどちらも、結局はこれまでの基本的な漸化式の解き方に帰着するので、よく復習しておきましょう。

→「漸化式の解き方(一般校の求め方)総まとめページ

常用対数を利用する漸化式

次に紹介する漸化式は、AnとA[n+1]に指数がついているタイプです。

$$例題2:a_{1}=5,( a_{n+1}) ^{4}=( a_{n}) ^{2}$$

数学3では指数が付いていたら自然対数を取る事が多いですが、数2bでは基本的に常用対数をとります。

<参考:「指数・対数の基本とその方程式」>

<参考2:「常用対数の意味と桁数の調べ方への応用」>

$$4\log _{10}a_{n+1}=2\log _{10}a_{n}$$

$$\log _{10}a_{n+1}=\frac {1}{2}\log _{10}a_{n}$$

$$ここで\log _{10}a_{n}=b_{n}とおいて$$

$$b_{n+1}=\frac {1}{2}b_{n},b_{1}=\log _{10}5$$

$$b_{n}=( \frac {1}{2}) ^{n-1}( \log _{10}5) $$

log 10an=bnだったので、

$$\log _{10}a_{n}=( \frac {1}{2}) ^{n-1}( \log _{10}5) $$

$$\log _{10}a_{n}=\log _{10}5^{( \frac {1}{2}) ^{n-1}}$$

ここが一番計算ミスをしやすいので要注意です!

両辺を比べて、

$$a_{n}=5^{( \frac {1}{2}) ^{n-1}}が答えになります$$

解法の流れは単純ですが、途中の対数計算の時に計算ミス(書き間違い)を起こしやすいので、

慎重に計算することと、一般項が出たら必ずn=2,3位まで実際に検算してミスをしていないかチェックする様にしましょう。

まとめと次回予告

今回(第7回目)まででほぼ全てのタイプを紹介しました。

残りは、連立漸化式作成済みと実際にn=1、2、3、4・・・と数字を入れ、「一般項を推測して帰納法で証明するもの」の2つです。

※2019/01/24更新:全12タイプの漸化式の解き方についてのまとめ記事は、

以下のリンクよりご覧ください。

数列の漸化式の解き方全12タイプのまとめ

連立漸化式の解き方についての記事を作成しました。以下のリンクより続けてご覧ください!

係数が対称型/非対称型の2種類の連立漸化式の解き方(数列漸化式8)

あとほんの少しなので是非習得できる様にしましょう。

今回もご覧いただき有難うございました。お役に立ちましたら、

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