数列の漸化式の解き方第4回
今回は、少しだけ変わり種?である、数列の和SnとAnが等式で結ばれた漸化式の解き方(一般項の求め方)の解説をしていきます。
この記事で解く漸化式
Snを数列Anの和として
・Sn=(nの式)
・Sn=An +(nの式)
一度経験していないと難しいもの(+注意点)も含まれますので、しっかり解法をstockしましょう。
(因みに今回で漸化式の解き方シリーズの折り返し地点です!)
目次(タップした所へ飛びます)
Snが含まれる漸化式から一般項を導く
・数列の和とΣ公式の復習
・SnとAn
・Sn=(nの式)型
・Sn=(An +nの式)型
・まとめと次回予告
数列の和とΣ公式
この記事では、数列の和SnとΣ(シグマ)の公式をよく使うので、
曖昧な部分がある人は、先に→「数列の和とΣ公式のまとめ」←で復習をしておいて下さい。
SnとAnの関係
今回よく使う数列の和Snと数列の一般項Anとの関係を2つ紹介します。
\(⑴S_{1}=a_{1}\)・・・これは当然ですね、
第一項までの和と初項が同じという事を言っているだけです。
\(⑵S_{n}-S_{n-1}=a_{n}\)・・・これはどうでしょうか?
n項目までの和ー(n-1項目)までの和を引くとAnになります。
\( Sn=A1 + A2 +・・・ + A_{n-1}+An\)
\(ーS_{n-1}=A1 + A2 +・・・ A_{n-2}+A_{n-1}\)
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\(=SnーS_{n-1}=An\)
この式はSn=(nの式)の場合に使う事が多いです。
Sn=(nの式)型で表される数列の一般項
Sn=(nの式)のパターンの漸化式を解いて一般項を求めます。
Sn=n3+n+1、A1=2の様に、数列の和がnの式で示されている場合は、上のSn-S[n-1]を使います。
\(S_{n}-S_{n-1}=a_{n}=\)
\((n^{3}+n+1) -\{(n-1)^{3}+(n-1)+1\}\)
\(a_{n}=n^{3}+n+1-(n^{3}-3n^{2}+3n-1+n-1+1) \)
\(a_{n}=3n^{2}-3n+2\)
ここで(注意)Sn-1を使っているので、A1が一般項に1を代入したものと同じかチェックします。
違う場合は、a1とan(2≧n)に場合分けして解答します。
今回はanのnに1を代入してチェックすると、a1=2で同一なので場合分けの必要はありません。
\(従って、一般項a_{n}=3n^{2}-3n+2\)
Sn=An+(nの式)型の数列の一般項の求め方
Sn=An+(nの式)のタイプ
S[n+1]ーSn=A[n+1]を利用して先にA[n+1]とAnの漸化式を作ってから解いていく形になります。
実際に見てみましょう。
\((例題2)S_{n}=3a_{n}+3n+1\)で表される数列の一般項を求めよ。
$$S_{n+1}-S_{n}=a_{n+1}=$$
\(\{3a_{n+1}+3(n+1)+1\}-(3a_{n}+3n+1)\)
展開して、\(a_{n+1}=3a_{n+1}+3n+4-3a_{n}-3n-1\)
整理すると\(\begin{aligned}2a_{n+1}=3a_{n}-3\\
a_{n+1}=\frac {3}{2}a_{n}-\frac {3}{2}\end{aligned}\)
ここで、等比数列帰着型を使います。
「等比数列帰着型の漸化式の解き方」については左のリンクよりご覧下さい。
$$( a_{n+1}-3) =\frac {3}{2}( a_{n}-3) $$
\(\begin{aligned}S_{1}=a_{1}=3a_{1}+3+1\\
⇔ a_{1}=-2\end{aligned}\)
\(ここでb_{n}=a_{n}-3,b_{1}=-5とおいて\)
$$b_{n+1}=\frac {3}{2}b_{n},b_{1}=-5より$$
$$b_{n}=( -5) ( \frac {3}{2}) ^{n-1}$$
$$従って、一般項a_{n}=3-5( \frac {3}{2}) ^{n-1}$$
続編と漸化式の解法まとめへ進む
<数列の和、Σが関係する漸化式の解き方まとめ>
第四回目の今回はSnを「ずらして」A[n+1]やAnを作り出し、一般項を導出しました。
・Sn=nの式→SnーSn-1=Anの利用と、A1(初項)で場合分けが必要かチェック。
・Sn=An +nの式→Sn +1ーSn=An+1の式からAn +1とAnの漸化式を作る
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