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執筆者・編集者プロフィール
安田周平
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整数の攻略法と例題を通してその使い方を解説します。

理系数学でも文系数学でも最もムズカシイ?

<この記事を読むべき人>

・整数問題の解き方がわからない

・答えを見たら納得するが、『そんな解法思いつかない!』

・整数分野は”センスが必要”と思っている人

<この整数問題シリーズを読むメリット>

・ほとんどの問題は3種類の”道具”の組み合わせで解けることが分かる

・それぞれの”道具”の使い方を実例を挙げて解説しているので、自分で使えるようになる

・本当にセンスが必要な”難問”・”奇問”が出題された場合でも、素早く後回しにする判断力がつく

整数問題(整数の性質)を攻略

今日は「整数問題」を扱って行きます。

大学入試数学において、おそらく(数3も含めて)最も大変な分野です。

よく言われていることですが、一般的に理屈を習得するまでが大変な数3の微積などは、

その山をこえると出題される問題はある程度パターン化されてしまうので、得点源になりやすいです。

しかし、整数は小学校やもっと年少から触れている「数」であり、

もっとも身近で問題文もそれほど難しくない様に見えるにも関わらず、

実際に解こうとすると手が出ない。。。と言う人が多いです。

これは大学以降でも似た様な傾向があり、いわゆる「未解決問題」には

整数が絡むことが多いです。

ゆえに、最難関大学は特に整数問題を重視する傾向にあります。

東大や京大、一橋、国公立単科医大を目指す人は、理系であれ文系であれ避けられない分野です。

整数問題を解く為に才能は必要ない!

基本的に難題の多い整数ですが、大学受験レベルだと、「閃き」や「才能」が必須というわけではありません。

これから紹介する道具を使っていけば、大抵の問題は解ける様になります。

それでも解けない問題は、「差がつかない(周りも解けない)」レベルなので、

割り切って得意な分野に時間をかけて下さい。(その眼を養うのもこのシリーズの目的の一つです)

では今日の本題です!整数問題が出てきたら、以下の三つの『道具(指針)』を使えないか試して、解いていきます。

整数問題攻略の為の『3つの指針』

指針1:(式)×(式)=整数 の形に持って行く。

(因数分解や素因数分解を使う場合分けで解いていくことが多い)

因数分解の公式と式変形のコツまとめ

因数分解利用型の整数問題の解き方

指針2:条件式(問題文)から範囲を絞る

(例:A<B<C、ならば、A+B+C<C+C+C=3C、や偶奇わけ、判別式の利用、一文字消去、他)

絞り込み型の整数問題の攻略

指針3:余りで分類

(3の倍数に関わる問題ならば、3m/3m+1/3m+2/の三つに分けてみる、他,,,)

剰余類とは?余りで分ける問題のコツ

合同式の意味と具体的な使い方

 

いずれの方法も頻繁に使う上、組み合わせて使うことも多いので、

マスターしておかなければいけない方法です。

入試問題を通して指針の使い方を学んでいきましょう。

実際に入試問題を解いてみよう。

 連立方程式 x=yz+7、y=zx+7、z=xy+7を満たす整数の組でx≤y≤z となるものを求めよ。 (2017’ 一橋大)

 

さて、この三つの式を見ると形が同じであることがわかります。

そこで、まず指針1(式)×(式)=整数を使ってみましょう。

x2=yz+7、、、#1

y2=zx+7、、、#2

z2=xy+7、、、#3   とおく。

 

#1ー#2 ⇔ x2-y2=yzーzx より、(x-y)でくくると

(x-y)(x+y)+z(x-y)=0 ⇔(x-y)(x+y+z)=0 、、、#4

、#1ー#3と#2ー#3も同様の式変形を行なって

(xーz)(x+y+z)=0 、、、#5

(yーz)(x+y+z)=0 、、、#6

ここ迄で指針1の形に持ち込めました。

次に、(式)×(式)=0より、(x+y+z)が0の時と0でない時に場合分けします。

この場合のように、(式)×(式)=0ならば、どちらかの式は必ず0になるはずです。

そこで、どちらの式が=0になっているのか”場合分け”して調べていきます。

(1):(x+y+z)≠0 の時、

#4と#5を見ると

(xーy)=0  かつ (xーz)=0  となるから、

x=y=zとなります。これを#1に代入してみると、

x2=x2+7 ⇔0=7 となりあきらかに仮定が間違っていることがわかります。

よって、(x+y+z)≠0 は成立しない。

(2): (x+y+z)=0の時。ここで指針2の手法の一つ「一文字消去」を使います

x+y+z=0 ⇔ y=ー(z+x)・・・#7。

#7を#2に代入すると、{-(z+x)}2=zx+7 、、、#8

ここで#8を展開してxの2次方程式ととらえると、

xは整数、整数は当然実数なので実数条件→判別式を使います。

よって、x+zx+z−7=0・・・#9の判別式:D≥0となります。

D=z-4z+28≥0

=ー3z≥ー28

=z2≤28/3

したがって、z≤√28/3、とx≤y≤z、かつ(x+y+z)=0 より、

(※3つの数を足して0、さらにその3つのうちの最大の数=zは0以上です。)

よってzの範囲は 0≤z≤3.・・・

また、0≤z より、x≤0

ここまでで、zが0,1,2,3まで絞り込むことが出来ました

そしてz=0は(1)で除外してあるので、z=1,2,3

後は各々#9へ代入して

題意をみたすか調べて行きます

(3−1)z=1の時、x+xー6=(x+3)(xー2)x=ー3,2はいずれの時もx≤y≤zも満たさない。

(3−2)z=2の時、x+2xー3= (x+3)(xー1) x=1,-3 この時(x,y,z)=(-3,1,2)は題意をみたす。

(3−3)z=3の時、x2+3x+2=(x+2)(x+1) ,x=-1,-2,この時、(x,y,z)=(-2,-1,3)は満たす。

従って、(x,y,z)=(-3,1,2),(-2,-1,3)・・・(答)  //

整数攻略法まとめ

指針通りに解いて行けば正解にたどり着くのがわかったと思います。

(式変形などの操作に「閃き」が必要な部分はなかったと思います)ちなみに

この問題は引用にも書いてある通り2017年の一橋の大問2です。文系のみの大学ではありますが、

一橋の数学は文系数学では最高レベルとされます。(東大の文系数学より難の時も。。。)

そのレベルでも特別な才能が必要という訳ではない事が分かって頂けたと思います。

整数分野を攻略するための記事をまとめたページが出来ました!

「高校数学最難関!整数分野の攻略記事まとめ」を読む。

今後も「整数」、

場合の数と確率の攻略法(解法解説)まとめ」、

数列の漸化式の解き方」など苦手な人が多い分野をなるべくわかりやすく、

かつ特別な発想を必要としない解法を紹介していきます!

ぜひ大学名や苦手分野でも怯まず、このシリーズを読んで、実際にノートに再現してみて下さい。

 

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