赤本の使い方と時期について
<この記事の内容>:赤本をはじめとする『過去問』の使い方や、いつから始めるか;知っている問題が増えてしまった時の対応策など、”他では紹介されていない”『上手く過去問を使いこなす”コツ”』を解説しています。
<今回の対象大学>:東京大・京都大をはじめとする旧帝大理系/東工大/難関国立医・医/単科医大
<この参考書・問題集シリーズについて>:筆者の主宰する塾「個別指導塾YES」において数百冊以上の参考書・問題集を使用してきた経験をもとに、本当にオススメできる本とその使い方を紹介しています。
<蔵書の一部>
目次(タップした所へ飛びます)
赤本(過去問)の使い方と開始時期
誰もが最終的に取り組む過去問(赤本)の使い方と時期などについて詳しく説明していきます。
始める時期と取り組む時期は違う
過去問において最も大切なことは、その学校の『傾向と対策』を知ることです。
従って、始める時期は”できるだけ早い方が良い”のです。その場合、まだ学校で未習の分野もあるでしょうし既習分野でも今の実力では解けない・・・という問題がたくさんあるはずです。
しかし、最終的に合格することが目標なので早めに過去問に取り組んで解けないことは全く問題ありません。
今と受験時との『差』を知ることによって今後、効率的に勉強ができるようになるのです。
過去問を始める時期は『今』
もちろん、この記事を読んでいる時期は人それぞれ違うかと思います。
しかし高2の冬休み以降〜高3生であれば、『今』とりあえず一年分だけでも良いので、志望校の過去問に取り組んで見ましょう。(赤本の一例です。)
採点後に必ず行う事
ひと通り受験科目を解き終わったら、答えあわせを行ないます。そして、解けない問題をピックアップしていきます。
その際、
・未習(数学Ⅲ・物理/化学の後半など)だから解けなかった問題・・・(1)
と
・既習範囲内だったが、難易度が高く解法を思い付かなかった問題・・・(2)
に分けます。
(1)の対策は「自分でドンドン先取りしていく」ことです。詳しくは後述しますが、難関大であればあるほど同学年でも既にその範囲を学習済みというライバルが多いからです。
予習・先取り様に当サイトでもいくつか記事を用意しています。
数学Ⅲ:「数Ⅲの微分積分を0から解説:記事まとめ」
物理:「電磁気学の解説記事まとめ」・「力学分野の記事まとめ」
等々・・・ぜひうまく利用していただければ幸いです。
(2)に関しては、習っている内容を【組み合わせ】たり、【問題を分割する力】が足りていない、ということなので演習用の問題集などでそう言った力をつけていく必要があります。
本格的に取り組む時期
傾向やいまの学力とのギャップを確認するのではなく「本格的に」時間通りにキッチリ取り組みはじめる時期は、遅くとも高3の夏休みです。
ただし、特に東大・京大及び難関大医学部医学科、単科医大を目指す人はもう少し前倒ししておく必要があります。
というのも、このレベルを受験してくるライバルは、高校二年の段階ですでに全範囲を終わらせて、高3は丸々一年を過去問・入試対策に当てていることも珍しくありません。
そのことを考えれば、出来るだけ早め(高2の春休み〜高校三年の頭)には、取り組んでおきたいところです。
あえて何年分も残しておく必要はない!
これも受験生がよく悩むことなのですが、過去問が貴重だからという理由でなるべく直前まで赤本を温存している場合があります。
最新の二年分くらいは残しておいても良いですが、先述したように苦手範囲の発見・傾向を知ることが何より大切なので、過去問をギリギリまで残しておくことの方がはるかに『もったいない』のです。
過去問が足りなくなった/知っている問題ばかりの場合
過去問をやり込んでいったり、志望校が難関・有名大学であればあるほど、これまでに解いてきた参考書や問題集に掲載されている(類題・一部改良されたものを含む)=『解法や答えを知ってしまっている』ことが往々にして多くなってきます。
過去問不足の対処法
そのような場合の対策をここで紹介しておきます。
各予備校の冠模試を受ける
はじめに挙げたレベルの大学を第一志望にしているならば、たいてい各大手予備校が冠模試(大学別専用の模試)を用意しています。
傾向を研究し尽くした講師陣が作成し、同時に受験する人もその大学を第一志望にしている事が多いので、データとしての価値も非常に高いです。
冠模試の過去問を手に入れる
また、上の冠模試の過去問を集めた『〇〇大学への数学』といった名前で(各予備校から各科目)出版されています。
これにも詳細な解答解説や採点基準、模試の平均点・標準偏差・席次・実際の合格者平均点など貴重なデータが載っているので是非入手しておきましょう。
(時期によっては販売されていなかったり、中古品が高価で販売されていることもあるので、新品が定価で買える時に出来るだけ購入しておくことをおすすめします。)
良質で傾向が似ている大学の過去問
それでも演習量が足りない場合は、傾向の似ている大学の赤本を解いていきましょう。
理系であっても数学ⅡBまでの範囲(特に整数の性質・場合の数と確率など)がよく出題される大学では、一橋大や京都大の文系数学が良い訓練になります。
単科医大やヘビーな数学Ⅲの問題を出題する大学に関しては、大阪大、東京工業大などの過去問が対策になります。
この様に、探していけば十分な演習をつめるだけの過去問や代替となる模試等は見つかります。
繰り返しになりますが、「出来るだけ早く活用していくこと」が志望校への最短ルートです。
東大は赤本よりも鉄緑会の過去問を
これは東大志望者のみが対象ですが、赤本よりも鉄緑会の出している数学・物理・化学・古文をおススメします。
数学
物理
化学
値段は赤本よりもかなり高めですが、解説(複数の別解付き)や、傾向分析・その他の付録の質/量ともに圧倒的に優れています。
また、数学に関しては通常の十年分のバージョンだけでなく、30年分バージョンもあります。(ぜひスライドさせて、中身を見てみてください。)
もはや辞書や百科事典のような分量ですが、旧課程・旧旧課程も含めて対策ができる(=普遍的な実力をつけることができる)ので、余裕があれば手に入れておきたいところです。
過去問まとめと参考書シリーズ一覧
今回は赤本(過去問)との向き合い方や、過去問の代わりに使うおすすめの方法などを紹介してきました。
この記事を見てくださっている方の志望校合格への一助となれば幸いです。
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