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安田周平
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積分方程式の解き方

今回は積分方程式の第一回として積分方程式の2パターンを紹介し、

基礎的な例題を通してその解法について解説していきます。

積分方程式とは

積分方程式とは、f(x)の様な未知の関数の積分のカタチが入った方程式のことを言います。

(下の例題1の様に、f(x)がどんな関数なのかは分かりません。)

更に、これから解説する"2パターン"の方法でf(x)がどんな関数なのかを調べて、

f(x)の式を導く(見つける)事を「積分方程式を解く」という言い方をします。

$$\int ^{3}_{1}f(t) dt$$←のように積分の中に未知の関数fがあります。

また、方程式中に微分形が入っているものを特別に”微分方程式”と呼びます。詳しくは→「微分方程式の紹介と応用まとめ」を読む。

このように、関数が入った方程式のことを併せて『関数方程式』と呼ぶ事があります。

積分方程式2タイプとそれぞれの解法

積分方程式は、大きく2パターンに分けることができ、

各々解き方が異なるので、例題を通して紹介していきます。

(1):積分区間に変数が含まれないパターン

例題(1):

$$f(x)=\int ^{2}_{0}f(t) dt+x+1・・・【1】$$

【1】のf(x)を求めよ。

この問題のように、積分区間に変数(この方程式では変数=x)が含まれない場合は、

【方程式中の積分=k(kは定数)と置く】のが大原則です。

この原則に従って例題(1)を解いていきます。

\(f( x) =\int ^{2}_{0}f(t) dt+x+1の\)

\(\int ^{2}_{0}f(t) dt=kと置いて、\)

kを【1】式に代入すると、f(x) =k+x+1となります。

更に、この式の変数xにtを代入します。

f(t) =k+t+1・・・【2】

ここで先程置いた式、\(k=\int ^{2}_{0}f(t) dtの\)

f(t)に【2】を代入して右辺をtで積分すると、

$$k=[ \frac {t^{2}}{2}+kt+t] ^{2}_{0}$$

これを計算すると、

k=2+2k+2⇔ k=-4

ここで積分部分をkと置いた式、

f(x)=k+x+1にk=ー4を代入すると、

f(x) =-4+x+1⇔ f(x) =x-3、となって、f(x)を求めることが出来ました。

(2)積分区間に変数が含まれているパターン

こちらも例題を解きながら解説しますが、(1)に比べてワンランク難しくなっています。

(例題2ー1):

$$\int ^{x}_{1}f(t) dt=x^{3}+2x+\alpha$$

の式(※)がある。このとき

(1):αの値を求めよ。

(2):(※)を満たすf(x)を求めよ。

このタイプの積分方程式は、両辺を変数(ここではx)で微分すると上手く解くことが出来ます。

例題2の解説の前に、積分部分を微分する方法について解説しておきます。

この例題では積分区間の変数が“x”と簡単なものですが、より複雑な“x2 +3x +3”の様に変数の式が積分区間に入っている場合もあります。

その様な場合でも、同様に変数で微分するのですが、その際「合成関数の微分」に注意する必要があります。

注)合成関数の微分については右で詳しく解説しています。

苦手な人は先にcheckしておいてください→「合成関数の微分法」を読む。

積分区間に変数or変数の式が入っている場合の対処法

積分部分を微分する手順を解説していきます。ここでは、分かりやすくするために色々と式変形していきます。

実際に問題を解く時は、一行目と最終行の2式だけ記述して計算しましょう。

以下に登場するg(x)やh(x)はxの関数という意味で、これは当然、g(x)=xやh(x)=2(定数)も含みます。

\(\int ^{g(x) }_{h(x) }f(t) dtをxで微分する\)

一旦積分してインテグラルを外してから微分します。

$$[ F(t)] ^{g(x) }_{h( x) }=F( g_{(x)}) -F( h(x)) $$

上の式の右辺を微分していくと、

$$\frac {d}{dx}(F(g_{(x)}) -F( h(x))) =$$

\(=f( g(x)) \cdot g'( x) -f(h(x)) \cdot h'(x)\)

合成関数の微分法より、(外の関数の微分)×(中の関数の微分)

よって、これらをまとめると

$$d/dx\int ^{g(x) }_{h(x)}f(t) dt=$$

\(f( g(x)) \cdot g'(x) -f(h(x)) \cdot h'(x)となります。\)

(解答解説2-1):解説に戻ります。

$$\int ^{x}_{1}f(t) dt=x^{3}+2x+\alpha$$

まず(1)でαの値を問われているので、(左辺)が0となる様に、両辺のxに1を代入します。

すると、\((左辺)=\int ^{1}_{1}f(t) dt=0\)であり、(右辺)=1+2+α より、α=-3・・・(答1)

\(\int ^{x}_{1}f(t) dt=x^{3}+2x-3\)

次に、上の式の両辺をxで微分することによって

\(f(x)=3x^{2}+2\cdots (答2)\)

まとめと数3の微分・積分関連記事

この様に積分方程式は2パターンに分けることができ、

各々解き方も決まっているので見かけほどは難しくありません。

関連記事:「偶関数と奇関数の意味と応用」の記事で、積分が入った”不等式の証明”について解説しました。併せてご覧ください!

次回予告と微積まとめ記事へ

次回の積分方程式part2では、もう少し複雑な関数:数学Ⅲで扱う関数が入ったものを紹介します。

2019/12/05【NEW!】「積分漸化式の問題の解法と応用

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