古典文法シリーズ第三回:「形容詞・形容動詞」

<この記事の内容>:古典文法(三)では、10種類ある品詞の中でも『用言』と呼ばれる3つのうち、前回紹介した動詞以外の『形容詞』・『形容動詞』の意味や活用などをまとめています。

<シリーズ復習>:

古文法(一):10品詞をマスター」→「古文法(二):動詞の活用・覚え方のコツ」→「今ここです」

形容詞とは

さっそく、形容詞から紹介していきます。

品詞マップと活用する動詞・形容詞・形容動詞および助動詞

<品詞マップ>

意味・役割

ほとんどの参考書や教科書には、【物・事の様子や状態をあらわす品詞=形容詞】という風に説明されているかと思います。

(具体的な例は今後たくさん出てくるので、いまはそのくらいの理解で十分です。)

形容詞の活用

さて、形容詞の活用には「ク活用」、および、「シク活用」があり、さらにそのそれぞれに『本活用』、『補助活用』というものがあります。

これは前回解説した「動詞の活用」には無かったものです。

ク活用とシク活用の詳細

ここでは、本活用と補助活用に分けて活用表をみていきます。

本活用とは

『本活用』というのは”形容詞の活用”のうち、後ろに『助動詞以外』の品詞が来る場合です。

”本活用”の表

上の表を見ると、ク・シク活用ともに、『ク・ク・シ・キ・ケレ・●』:

(シク〃の時は”し”が頭に付く『●・しく・し・しき・しけれ・●』)ことがわかります。

補助活用とは:(活用形のあとに助動詞が続く!)

逆に、補助〃は”形容詞+助動詞”の形になったときのみ使用します。

(補助活用)の表2

補助活用のpointは、最後の一文字に注目することです。

『から・かり・●・かる・●・かれ』(ラ行・変格活用:ら・り・り・る・れ・れ:と同じように活用しています。終止形・已然形はありませんが。)

このことと、『シク活用は”ク活用の頭に『し』をプラスしたもの”』と覚えておけばバッチリです

”ク活用”と”シク活用”の違いと見分け方

では、『ク〃』なのか『シク〃』なのか、いったいどっちの活用なのか?という悩み(識別)が出てきます。

そこで、王道の識別法として『〜なる』をつけたとき、「〜くなる」となった場合は『ク活用』、「〜しくなる」となる場合は『シク活用』と判断する方法があります。

たとえば、『あやし(意味:不思議だ・めずらしい・おかしい、等)』であれば「あやし+〜なる」→「あやしくなる」より、『シク活用』と判断します。

他の例も見てみます。「こころよし(意味:気分が良い、等)」である場合は、「こころよし+〜なる」→「こころよなる」となって『ク活用』と判断できます。

これから他にもたくさんの形容詞が出てくるので、この方法をしっかり身につけておきましょう!

形容動詞とは

『形容詞』とは別の品詞ですが、言葉が似ている上に”意味”や”働き”もほぼ同じなのです。

しかし、これら2品詞の見分け方はそれほど難しいことはありません。

形容詞との見分け方

それは終止形(〜。)の時に、『〜なり』、もしくは『〜たり』で終われば『形容動詞』、『〜し』で終われば(言い切れることが出来れば)『形容詞』である、というものです。

形容動詞の活用

次に、形容動詞も3つの用言のうちの1つなので「活用」します。

『〜なりで終わる』or『〜たりで終わる』ものによって、以下の表のように活用します。

”ナリ活用”と”タリ活用”

基本的には、ナリ活用の形容動詞を扱うことがほとんどな上、タリ活用はナリ活用の”な”を”た”に変えるだけなので、特別覚える必要はありません。

 

表:形容動詞の活用

『連用形』に注意+『ラ変』でマスター

そして、「なら・なり・なり・なる・なれ・なれ」の活用している部分を取り出すと、『ら・り・り・る・れ・れ』となっており、これは動詞の『ラ行・変格活用』そのままです!

すなわち、動詞のラ変を覚えておけば、形容動詞の活用の記憶はほとんど必要ないということが言えます。

唯一の注意点は、連用形の部分です。

ナリ活用では「なり/に」、タリ活用では「たり/と」と併記してあります。

これは『まるで(形容詞の)補助活用のように』、助動詞が下に接続するときに『なり・たり』を使って、【形容動詞 +(助動詞以外の品詞)】の場合は「に・と」を使う、という決まりがあるからです。

この点だけは気をつけてください。

形容動詞&形容詞のまとめと続編へ

・このように、『活用』はその対象となる単語や種類が多いので、『使い回し』や『少しの例外』を覚えるようにしておくことによって、最小限の労力で攻略することが可能です。

(その最たるものが『助動詞』です。詳細は次回「古典文法助動詞編:第一回」←にて解説します)

・ここまでの三回で、10品詞の概要とその中の3種類の用言について詳しく解説してきました。

・次回はいよいよ古典文法の最重要品詞である「助動詞」について学んでいきます。

〜古典文法シリーズ一覧と次回:助動詞編へ〜

第一回:「基本10品詞と古典文法の学び方

第二回:「動詞の活用9種類の意味と覚え方のコツ

第三回:「(今ここです)」

第四回:「助動詞の意味と全体像・学び方

第五回:「連用形接続グループの助動詞まとめ」(2019/08/08NEW!)

今回も最後までご覧頂きましてありがとうございました。

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