古典文法シリーズ第二回:活用(動詞編)

<この記事の内容>:前回「第一回:品詞全十種類の分類と意味」に引き続き、今回は文法の中でも最初の”カベ”であり、挫折しやすい『活用』について解説していきます。

『活用』がネックになって古典を避けてしまっている人は、ぜひご覧ください!

活用まとめ

さっそく活用について見ていきます。難しい文法用語よりも、具体的に“音”に注目して何度も読んでみましょう。

活用する品詞→活用の種類(動詞)→正格・変格活用の詳細。

の順番で進めます。

活用する品詞

前回「品詞十種類まとめ」でも紹介した分類表を見ながら、『活用する』品詞をチェックしておきます。

オレンジ色で塗っている部分が『活用する品詞』です。

品詞マップと活用する動詞・形容詞・形容動詞および助動詞

上の図のように、『自立語』に含まれる『用言(=活用する言葉)』である「動詞」「形容詞」「形容動詞」と、『付属語』の中の『助動詞』の4品詞がそれぞれ活用します。

活用形の意味

活用を覚える前に、活用形のそれぞれの意味について軽く触れておきましょう。

・未然

未然形は、読んで字のごとく『いまだ(未だ)』起こっていない時に使います。

・連用

連用形も、「用(用言)に連なる(連)」から分かりますが、用言である『動詞、形容詞、形容動詞』に繋がる際に変化します。

・終止

終止形:「〜。」で終わる時に使用します。普通の文章ではこの形で文が終わります。(係り結びについては別途『助詞』の記事で扱います)

・連体

そろそろ字を見るだけで分かる様になって来たのではないでしょうか。

「体言(名詞)に繋がる』際に使うのが連体形です。

・已然

已然形(いぜんー)は少し難しい『已』という字を使っています。意味は「既に起こった」ということです。

・命令

これは文字そのままですね。

正格活用と変格活用

さて、活用形の次はいよいよ本題の『活用』について習得します。

活用の仕方にも、大きく分けて『正格活用』と『変格活用』の2種類があり、そのそれぞれについて5種類と4種類の活用に分けることができます。

初めは”ウンザリする”この活用ですが、ある程度のルールとコツを紹介していくので、ぜひ頑張って乗り越えましょう!

基本的な活用の種類とその分類

<動詞の活用の全体像>

正格活用とその概観

さて、まず『正格活用』からです。

正格活用の概要

ほとんどの動詞が『四段活用』or『上二段・下二段活用』で、その他の一部の動詞が『上一・下一段活用』をします。(下一段にいたっては『蹴る』しかありません)

四段/上二/下二段活用

下の表のように、四段活用では:a/i/u/u/e/e:と4(音)文字を使い、

上二段は:i/i/u/uる/uれ/iよ:と『u』とその一つ上の『i』の2(音)文字

下二段も:e/e/u/uるuれ/eよ:と『u』とその一つ下の『e』の2(音)を用います。

このように『母音:a/i/u/e/oと”u”を中心に何音使うか』に気をつけておけば、このあと紹介する上一・下一もすぐに覚えられるはずです。

四段と上1・上2段活用の表

 

四段/上二段/下二段の見分け方

動詞に〜“ズ”をつけてみます。

ーa ズ  (例:聞く+ズ→聞かず となって、聞k"a"ズ 語尾が-aズに変化します。)

このようになる動詞は『四段活用』です。

ーi ズ   (例:侘ぶ+ズ→侘びず  となり 侘b"i"ズ 語尾が-iズとなれば『上二段活用』と判断します。)

ーe ズ  (例:失す(うす)+ズ→失せず となって失s"e"ズ 語尾が-eズに変化します。)

この方法が最もメジャーで、ほぼ確実に見分けることができます。

上一段/下一段活用と動詞

次に、上一・下一段活用を見てみましょう。

『u』の一つ上の音『i』だけを用いているので「上一段」

『u』の一つ下の音『e』だけを使っているので「下一段」活用です。

 

上一・下一活用図

 

<上一段の動詞>:「蹴る」のみ

<下一段の動詞>:「射る・干る・煮る・着るetc」

変格活用とその概観

変格活用は、少し特殊ですが4種類だけであることと、それぞれカ/サ/ナ/ラ変の活用をするタイプの動詞の種類が少ないので、比較的簡単にマスターできます。

変格活用表(一覧)

先にこの↑活用表を見てから、それぞれの動詞を覚えてしまいましょう。

カ行変格活用と動詞

<カ変>コ・キ・ク・クル・クレ・コ(よ)

<カ変の動詞>:『来』だけです。

 

サ行変格活用と動詞

<サ変>:サ・シ・ス・スル・スレ・セヨ

<サ変の動詞>:『す』・『おはす』

覚え方:いずれも尊敬の意味を持ちます。

ナ行変格活用と動詞

<ナ変>:ナ・ニ・ヌ・ヌル・ヌレ・ネ

 

<ナ変の動詞>:『往ぬ』・『死ぬ』。

覚え方としては、どちらも「いなくなる」といった意味になります。

ラ行変格活用と動詞

<ラ変>:ラ・リ・リ・ル・レ・レ

(”ラ行四段活用”の『ラ・リ・ル・ル・レ・レ』と混同しないように注意しましょう。)

<ラ変の動詞>:『あり』・『居(お)り』・『侍(はべ)り』・『いまそかり』

動詞の活用まとめと次回へ

・各活用形(未然形と已然形の意味の違いなど)をしっかりと理解しておきましょう。

・正格活用の一部と変格活用の動詞は数が少ないので、早めに覚えてしまうと楽です。

次回は、活用する『自立語』(用言)のうちの残り2つである、『形容詞』および『形容動詞』について扱います。

今回ほど複雑ではないので、安心して取り組めるはずです。

ぜひ今日の内容は何度も復習し直しておいてください!

古典文法シリーズ一覧へ

古文文法シリーズ第一回:「古文文法の概観と品詞10種類一覧

第二回:「(今ここです)活用形と動詞の活用」

第三回:「形容詞・形容動詞の意味と活用

第四回:「助動詞編その1:学び方と覚え方のコツ

 

今回も最後までご覧いただき、有難うございました。

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