対称式をフル活用!

今回は応用レベルの整数問題を通して対称式の実戦的な使い方を習得します。

色々な式変形や、道具を紹介しているので是非じっくりご覧下さい。

整数問題を解く為の最重要な3つの道具」を先に読んでおくと理解しやすいです。

対称式/基本対称式とは

対称式とは、教科書的に言うと「その式の文字(変数)を入れ替えても元の式と同じになる式」ですが、これではよく分からないので、実例を挙げてみます。

対称式の例

$$(例):x+y 、 xy  、 x^{2}+xy+ y^{2}$$

上の様な式は、xとyを入れ替えても同じ式になります。これらの様な式が「対称式」で、特にはじめの2つ

基本対称式

上に示した「対称式」の中でも特に

(x+y) ,( xy )の事を【基本対称式】とよび、色々な場面で使用するので覚えておいてください。

又、【どんな対称式でも、基本対称式で表すことが出来る】という事も対称式の非常に大切な性質です。

対称式を使う

早速、対称式の威力を実感して貰うために以下の整数分野の問題に取り組んでみます。

<実践問題1>

$$今、3p^{3}-p^{2}q-pq^{2}+3q^{3}=2013$$

の式を満たす自然数の組(p、q)を全て求めよ。

一度自分で考えてみて下さい。(15分)

ヒントは先ほどから何度も言っている対称式です。

解けそうになければ、解答解説に進みます。

・・・・・・

・・・・・・

では、解説していきます。

解答解説(1)

先ず、この問題を見たときに直ぐに気づかなければならないpointが、

「左辺がpとqの対称式」である、という事です。

今回は「対称式」がテーマなので分かった人がほとんどだと思いますが、

入試本番では直ぐに気づけない人も多いです。

解法tool(1):対称式を見たら、必ず基本対称式で表してみる。

対称式は必ず基本対称式で表せます。従って対称式を発見→基本対称式の形に整理してみる。

という方法で見通しが良くなることが多いです。

さっそくこの問題の左辺を、2つの基本対称式:p+q , pqで表して見ます

$$3p^{3}-p^{2}q-pq^{2}+3q^{3}=2013$$

$$3p^{3}+3q^{3}-p^{2}q-pq^{2}$$

$$3(p^{3}+q^{3})-pq(p+q)=2013$$

ここで因数分解の公式を使って

<参考:「因数分解の公式と式変形のコツ」>

$$3(p+q)(p^{2}-pq+q^{2})-pq(p+q)=2013$$

$$(p+q)(3(p^{2}-pq+q^{2})-pq)=2013$$

$$(p+q)(3p^{2}-4pq+3q^{2})=2013$$

解法tool(2):数はとにかく素因数分解してみる

ここで今度は右辺を素因数分解してみます

(右辺)=2013=3× 11×61

$$これで、(p+q)(3p^{2}-4pq+3q^{2})=3×11×61より、$$

$$(p+q)と(3p^{2}-4pq+3q^{2})が、$$

1、3、11、61の整数の組み合わせで出来ている事が分かりました。

しかし、これでは組み合わせの数が多く、条件を一つ一つ満たしているかのチェックに時間がかかります。

解法tool(3):条件式をうまく使ってなるべく答えの候補を絞り込む

そこで、答えの候補の絞り込みを行います。

この絞り込み方は、ある程度経験していないと思いつかない事も多いので、

ぜひこの記事や類題などで習得する様にして置いてください。

条件式より、

1≦ pかつ、1≦ q 、より、2≦ p+q≦ p2+q2

ここまでは大丈夫だと思います

次の変形が大切です。

$$3p^{2}-4pq+3q^{2}=p^{2}+q^{2}+2( p-q) ^{2}$$

この変形が出来れば後は先ほどの不等式に代入して、

$$2≦ p+q ≦ p^{2}+q^{2}+2( p-q) ^{2}=3p^{2}-4pq+3q^{2}$$

従って、整理すると

$$2≦ p+q≦ 3p^{2}-4pq+3q^{2}$$

という大小関係がわかりました。

解法tool(4):複雑な対称式は基本対称式へ(2回目)

ここでの複雑な式は何でしょうか?

$$3p^{2}-4pq+3q^{2}$$が少し厄介です(しかも対称式です)。

そこで、この式は基本対称式で表せるので変形して、

$$3p^{2}-4pq+3q^{2}=3( p+q) ^{2}-10( pq) $$

ここで先ほどの不等式より$$p+q≦ 3( p+q) ^{2}-10( pq)と$$

$$2013=3× 11×61$$の素因数分解から

p+q=3、11、33

$$3( p+q) ^{2}-10( pq)=671、183、61$$

の3通りまで絞り込むことが出来ました。

後は3通りそれぞれが条件を満たすかチェックしていきます。

p+q=3の時、

$$3(p+q)^{2}-10pq=3× 3^{2}-10pq=671$$

$$-10pq=644  ,  pq=-\frac {322}{5}$$

pqは自然数なのでこれは不適

$$p+q=11の時、3× 11^{2}-10pq=183$$

363-10pq=183, , , pq=18 これは条件を満たす。

$$p+q=33の時、3× 33^{2}-10pq=61$$

3267-10pq=61,,,10pq=3206

$$pq=-\frac {1603}{5}となり不適。$$

以上より、正しい組み合わせはp+q=11かつpq=18

さて、ここでpとqを求めれば終わりですが、p=のカタチにして、

pq=18に代入して、、、という方法はやめておきましょう。

今日最後のtool:基本対称式を見たら、解と係数の関係を思い出す

二次方程式の解と係数の関係より、実数解2つの和と積が以下の様に表されます。

$$x^{2}-( p+q) x+pq=0$$

この関係を使って

$$x^{2}-11 x+18=0$$ この2解がpとqになるので

$$( x-2)( x-9) =0$$

$$答え:( p,q) =( 2,9) ,(9,2)$$

まとめ

・全ての対称式は基本対称式で表せる!

・対称式を意識してうまく因数分解する

・2013など数はとにかく素因数分解してみる

・答えの候補を減らすためにうまく式変形する

・二次方程式や三次方程式の解と係数の関係を利用する

上のまとめは整数問題を解く上で非常に大切な事なので、是非よく復習しておいて下さい!

今回も最後までご覧いただき有難うございました。

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