整数問題の解き方実践編:絞り込み型part2

 

今回は、初めに過去問を載せて、問題をみながら解説していきます。

なお、今回のテーマ「逆数をとる&条件式から絞り込む」を0から学ぶ人のために、以下の記事を用意しました。

(其の一)「整数問題に閃きは不要!解答に必要な3つの道具

(其の二)「整数問題:絞り込み型のキソ

適宜利用してください!

整数問題は難問が多いですが、どれだけの数をこなしたか(努力)によってヒラメキがなくとも経験の掛け合わせでなんとか解けることが多いです。

同様の事は「場合の数と確率」の分野でも言えます。

この2単元を好んで出す大学(難関理系/医系/最難関文系)を目指していて、かつ数学で合格点以上をとる為には、差が付く整数と確率の攻略は避けて通れません。

どちらも地道な努力が必要とされ、時には書き出しなどの膨大な処理が必要になりますが、ぜひこのサイトを最大限利用して攻略していきましょう。

逆数をとって絞り込み!<問題編>

問題

$$(1)自然数x、y、は1<x<yかつ、$$

$$ \left( 1+\frac {1}{x}\right) \left( 1+\frac {1}{y}\right) =\frac {5}{3} を満たす。$$

この自然数(x、y)の組みを全て求めよ。

(2)自然数x、y、zは1<x<y<zかつ、

$$\left( 1+\frac {1}{x}\right) \left( 1+\frac {1}{y}\right) \left( 1+\frac {1}{z}\right) =\frac {12}{5}を満たす。$$

この自然数(x、y、z)の組みを全て求めよ。

 

方針:条件に分数の不等式=逆数を取る +絞り込む

基本的に、整数(自然数)の問題で、条件に不等式が現れればそれは「絞りこみ」のサインです。

さらに、今回の問題では、分数式が条件に入っていますから、この場合は「逆数を取る」を試します。

解説「条件式を常に意識し、利用法を考える」

問一:

先ず、自然数かつ、1<xより、x≧2

ここで逆数をとって、$$\frac {1}{x}\leq \frac {1}{2}$$

今から両辺に1を足します。$$\left( 1+\frac {1}{x}\right) \leq \left( 1+\frac {1}{2}\right) $$

$$\Leftrightarrow \left( 1+\frac {1}{x}\right) \leq \frac {3}{2}$$

なぜこのような変形をするかというと、お気づきの方もいるかと思いますが、

$$条件式に、\left( 1+\frac {1}{x}\right) \left( 1+\frac {1}{y}\right) =\frac {5}{3} $$があるからです。

なるべく条件式の形を頭に置きながら進めると、見通しが良くなります。

同様に、x<y より、y≧3も逆数を取り、1を足します。

$$\left( 1+\frac {1}{y}\right) \leq \left( 1+\frac {1}{3}\right)$$

$$\Leftrightarrow \left( 1+\frac {1}{y}\right) \leq \frac {4}{3}$$

ここで今度は条件式の方を変形させます。

$$理由: \left( 1+\frac {1}{x}\right) \leq \frac {3}{2} 左のように、$$

$$\frac {1}{x}$$を上から絞り込むことは出来たので、

$$条件式と\left( 1+\frac {1}{y}\right) \leq \frac {4}{3}を使い、$$

下からの不等式を作ることで、$$◯≦\frac {1}{x}≦\frac {3}{2} $$の形にしたいからです。

$$y >0,\frac {1}{y} >0 より、\left( 1+\frac {1}{y}\right) >0 だから、$$

$$\left( 1+\frac {1}{x}\right) \left( 1+\frac {1}{y}\right) =\frac {3}{5} を\left( 1+\frac {1}{y}\right)$$

で両辺割っても不等号の向きは変化しません。

$$よって、\left( 1+\frac {1}{x}\right) =\frac {5}{3}\times \frac {1}{\left( 1+\frac {1}{y}\right) }$$

$$ここで、\frac {1}{\left( 1+\frac {1}{y}\right) }は$$

$$\left( 1+\frac {1}{y}\right) \leq \frac {4}{3}の逆数だから、$$

$$\frac {1}{\left( 1+\frac {1}{y}\right) }\geq \frac {3}{4}$$

$$ゆえに、\left( 1+\frac {1}{x}\right) =\frac {5}{3}\times \frac {1}{\left( 1+\frac {1}{y}\right) }\geq \frac {5}{3}\times \frac {3}{4}$$

$$\Leftrightarrow \left( 1+\frac {1}{x}\right) \geq \frac {5}{4} $$

$$これで、◯≦\frac {1}{x}≦\frac {3}{2} $$

の形の◯の部分がうまりました。

さらに続きます、、

<次の方針> 1/xを上下ではさめたので、再び逆数を取り、xの範囲を調べます

条件(x>1、xは自然数)を満たすxの値によって、場合分けしyを探していきます。

$$\frac {5}{4}\leq 1+\frac {1}{x}\leq \frac {3}{2}$$

$$\Leftrightarrow \frac {1}{4}\leq \frac {1}{x}\leq \frac {1}{2}$$

ここで、逆数を取ると、2≦x≦4。従って、

x=2,3,4の時のyの値を求めて

そのyが条件を満たすかどうかを調べていきます。

$$(1)x=2のとき、\frac {3}{2}\left( 1+\frac {1}{y}\right) =\frac {5}{3}\Leftrightarrow \frac {1}{y}=\frac {1}{9}$$

よってy=9

(2)x=3のとき、

$$\frac {4}{3}\left( 1+\frac {1}{y}\right) =\frac {5}{3}\Leftrightarrow \frac {1}{y}=\frac {1}{4}$$

よって、y=4

(3)x=4のとき、

$$\frac {5}{4}\left( 1+\frac {1}{y}\right) =\frac {5}{3}\Leftrightarrow \frac {1}{y}=\frac {1}{3}$$

よってy=3。これはx<yを満たさないので、不適。

(1)~(3)より、(x,y)=(2,9),(3,4)

問二:(問一が3文字に拡張したversionです)

問1が解けなかった人は、一度上の解説を参考にして問2にチャレンジしてみて下さい。

未知数が2つから3つに増えるので、計算量は増えますがやることはそう変わりません。

では、解説を始めます。一部、問1の解説の繰り返しとなるところは省略しています。

問題は、1<x<y<z(x、y、z)は自然数

$$かつ、\left( 1+\frac {1}{x}\right) \left( 1+\frac {1}{y}\right) \left( 1+\frac {1}{z}\right) =\frac {12}{5}$$

条件からx≧2、y≧3、z≧4なので、逆数を取り、

条件式に近づけるために1を足していきます。

$$\left( 1+\frac {1}{2}\right) \geq \left( 1+\frac {1}{x}\right) $$

$$\left( 1+\frac {1}{3}\right) \geq \left( 1+\frac {1}{y}\right) $$

$$\left( 1+\frac {1}{3}\right) \geq \left( 1+\frac {1}{y}\right) $$

ここで、「条件式を常に意識し、利用法を考えます」

問1はここで、条件式の両辺から$$( 1+\frac {1}{y})$$

を割ってxだけの式にしました。問2でも、xを残す方針をとってみましょう。

つまり、yの式とzの式を消すことを考えます。

$$\begin{aligned}\left( \frac {4}{3}\right) \geq \left( 1+\frac {1}{y}\right) \\
\left( \frac {5}{4}\right) \geq \left( 1+\frac {1}{z}\right) \end{aligned}$$

$$と、\left( 1+\frac {1}{x}\right) \left( 1+\frac {1}{y}\right) \left( 1+\frac {1}{z}\right) =\frac {12}{5}から$$

$$\Leftrightarrow \left( 1+\frac {1}{x}\right) =\frac {12}{5}\times \frac {1}{\left( 1+\frac {1}{y}\right) }\times \frac {1}{\left( 1+\frac {1}{z}\right) }$$

逆数をかけているので、$$ \left( 1+\frac {1}{x}\right) \geq \frac {12}{5}\times \frac {3}{4}\times \frac {4}{5}$$

右辺を綺麗にして、$$ \left( 1+\frac {1}{x}\right) \geq \frac {36}{25}$$

$$よって、\frac {36}{25} ≦(1+\frac {1}{x})≦\frac {3}{2} $$

各辺から1を引いてもう一度逆数をとって

xの範囲を求めると、$$2≦x≦\frac {25}{11}$$

この条件を満たす自然数xは2のみ。

よってxは決まったので条件式にx=2を代入してy、zを求めていきます。

$$\begin{aligned}\left( 1+\frac {1}{2}\right) \left( 1+\frac {1}{y}\right) \left( 1+\frac {1}{z}\right) =\frac {12}{5}\\
\Leftrightarrow \left( 1+\frac {1}{y}\right) \left( 1+\frac {1}{2}\right) =\frac {12}{5}\times \frac {2}{3}=\frac {8}{5}\end{aligned}$$

二文字まで絞り込めたので、ここから先は問1の時と

ほとんど同じようにして絞り込んでいきます。

$$\left( 1+\frac {1}{y}\right) =\frac {8}{5}\times \frac {1}{\left( 1+\frac {1}{z}\right) }\geq \frac {8}{5}\times \frac {4}{5}$$

$$\Leftrightarrow \frac {32}{25}\leq \left( 1+\frac {1}{2}\right) \leq \frac {4}{3}$$

$$全ての辺から1を引いて逆数を取ると、3≦y≦\frac {25}{7}$$

より、y=3、x=2だったので

最後に条件式に代入すると、

$$\begin{aligned}\left( 1+\frac {1}{2}\right) \left( 1+\frac {1}{3}\right) \left( 1+\frac {1}{z}\right) =\frac {12}{5}\\
\Leftrightarrow \frac {3}{2}\times \frac {4}{3}\times \left( 1+\frac {1}{z}\right) =\frac {12}{5}\end{aligned}$$

$$よって、1+\frac {1}{z} =\frac {6}{5}$$

$$\frac {1}{z}=\frac {1}{5}より、z=5$$

以上より、x=2.y=3.z=5 が求まりました

最後にx,y,zが条件を満たしているかチェックします。

1<x<y<z と、x≧2、y≧3、z≧4を

それぞれ(x,y,z)=(2,3,5)は満たすので

問2の解答は、(x,y,z)=(2,3,5)

かなりボリュームのある問題でしたが、整数問題を得意にしていく上で大切な解法がたくさん詰まった良問なので、ぜひ何度か解答を見ずに解いて見て下さい。

まとめ

・整数(自然数)問題→「3つの道具」の利用を思い出す

・不等号が条件にある→「絞り込み基本パターン」に持ち込む

・分数が条件式にある→逆数をとってみる

・未知数が絞り込めたら、それぞれの場合に分けて条件を満たすか慎重にチェックする

・その他の整数問題の解法は「厳選】整数問題の解法/解説記事」にまとめました。

・冒頭でも書いた重要なもう一つの単元”確率”については「場合の数と確率を0から解説した記事13選」で

 0から京大・一橋レベルまでstepup出来るようにまとめています。

 

今回も最後までご覧いただき有難うございました。

お役に立ちましたら、シェア&当サイト公式Twitter(@linkyjuku_tweet)のフォローをお願いします!

また、質問・記事について・誤植・その他のお問い合わせはコメント欄までお願い致します。

Twitterでフォローしよう