n進法の演習:桁数と不等式(n進数シリーズ第3回)

この記事は、「n進法⇔10進法の変換とn進法での足し算/引き算/ かけ算」と、「n進法(シリーズ2)演習問題」の続編です。

・この記事の対象:上の記事を読んで、n進数の基礎はわかったが応用問題(特にケタ数や不等式が関係する問題)になると解けない・・という人

・この記事の目標:丁寧に整数問題との融合・発展問題の解説をしていくので『入試標準レベル』以上までの問題の解き方・考え方が身につきます。

さて、前回(シリーズ2)ではn進数→10進数に直す、もしくは、10進数→n進数に直すといったような基本的な問題を中心に解説しました。

今回はより発展的な問題にチャレンジしていきましょう。

n進法の問題演習(不等式の利用)

ここからは、本格的な応用問題を段階をおって解いていきます。

その際に指数法則を使うことがあるので「指数・対数」の範囲が苦手な人や、未習の方は先に→「指数・対数の基本とその方程式の解き方」を読んでおいてください。

○桁で○進数の自然数の数を求める

<例題1>
2進数で表すと8桁になるような自然数Nは全部でいくつあるか?

<コメント>
問題文を読んで方針に困ってしまうという方も少なくないのではないでしょうか。問題の条件から、適切な条件式(不等式)を作ることができるかがポイントとなります。

<解答1>

Nは2進法で表すと、8桁となる自然数であるから、

28-1≦N<28 (・・・☆)

したがってこの不等式を満たすNは

28 - 27 = 256 - 128 = 128(個)・・・(答)

※☆の式がよくわからないという方へ

☆の式はよく参考書などで、公式のように書かれていますが、この式を丸覚えするのは危険なのでできるだけ避けた方が良いです。

このサイトでも繰り返し言っていることですが、やはり公式や解法は「理解して自然と覚ている状態」になることが大切です。

では、具体的に星の式がどのようにして導かれるのかを考えて見ましょう。

「Nを2進数で表すと8桁になる」という表現を見てまず考えるべきことは、「2進数で表されたNはどのような範囲に収まるか」ということです。

当然、10000000≦N(2)≦11111111、

すなわち、11111 11 N(2)≦11111111となります。(等号の位置に注意!

不等式からわかるように、「Nを2進数で表すと8桁になる」という条件を満たすNの数は、

「Nは2進数で表すと8桁以下となる」という条件を満たすNの数から、

「Nは2進数で表すと7桁以下となる」という条件を満たすNの数を引いたものと等しくなる(考えてみれば当たり前ですね)のです。

このように考えると、☆の不等式の意味が理解しやすくなるのではないでしょうか。

では、次にこの問題をさらに応用した問題に挑戦してみましょう。

異なる進数に変換した時の桁数を求める問題

<問題2>
8進法で表すと16桁となるような自然数Nを、2進数、16進数で表すと、それぞれ何桁になるか?

<コメント>
16進数については、シリーズの第一回で少し触れています→「n進法と10進法の相互変換」の導入部分です。16進法であっても、これまで通りに他のn進数と同じように扱えば問題ありません。

計算を進めていくと、先ほどとは違った挟み方となる不等式が出てきますが、先ほどの※で考えたように処理すれば問題なく突破できるはずです。

<解答2>
Nは8進数で表すと16桁となる自然数であるから、
816-1≦N<816⇔815≦N<816…(1)これの底を8から2に変換すると、8=23 より、245N<248

したがって、Nは46桁、47桁、48桁のいずれかで表される。

一方、(1)の式を変形して、
2×(24)11N<(24)12

⇔ 2×1611N<1612

したがって、1611<2×1611であることも踏まえると、1611<N<1612(…...★)

ゆえに、Nを16進数で表すと12桁となる。・・・(答)

※この問題で詰まるとしたら、おそらく★の部分でしょう。

<今日のpoint!>:不等式を操る!

この様に、問題を解いている際に不要な係数が出てきてしまっても、自分で上手に評価して都合の良い不等式を作り出すというのは、受験数学の問題では非常に重要なテクニックです。

他にも、例えば計算できない定積分の評価などでこのようなテクニックが必要となります。

<参考:「二項定理を使ってはさみうち!」、「積分をはさみうちを使って評価する方法」>

異なる進数で表しても同じ桁になる問題

<問題>
ある数Nを4進数で表しても、6進数で表しても3桁となった。この時Nを3進法で表すと、何桁になるか。

<コメント>
条件式から、”問題を解くのに都合が良い不等式を作り出す”という点では、先程と同じような問題です。

不等号に等号があるかないか、またその位置に注意です。

<解答>

Nを4進数で表した時に3桁となることから、

43-1≦N<43⇔16≦N<64

Nを6進数で表した時に3桁となることから、

63-1≦N<63⇔36≦N<216

これらの式を連立して、36≦N<64

したがって、33=27<36≦N<64<81=34 ⇔33<N<34

ゆえに、Nは3進数で表すと4桁となる。・・・(答)

まとめとn進法/整数の関連記事

今回はN進数の桁数に関する問題について見てきましたが、理解することはできましたでしょうか。

一般的な参考書を見ると、「n桁数-1≦N<n桁数」を公式のように扱っているものも少なくないです。

しかし今回学習した問題からもわかるように、導かれた不等式が、この公式の通りになるとは限りません。

いつでも根本に立ち返って臨機応変に対応することのできるように、“意味を理解して”問題を解いていきましょう。

n進法シリーズ

・第1回:「n進法と10進法の変換と、n進数での足し算/引き算/かけ算

・第2回:「もう一つのn進法の解法

・第3回:「今ここです」

<「整数問題の解法・解説記事全11選」>

今回もご覧いただきまして有難うございました。

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