2変数関数の最小値を求める

<この記事の内容>:変数が2つある、いわゆる『2変数関数』の最小値の問題の解法を3種類紹介します。

(2020/02/08更新:未定乗数法(応用レベル)の記事を最後の項に追加しました。)

2変数関数の問題のアプローチ

前回、1変数の二次関数の最大・最小値の求め方について解説しました。<参考:「2次関数の最大・最小値の問題の攻略」>

今回は、\(f(x,y)=ax^{2}+bx+cy^{2}+dy+e\)

(但し、a,b,c,d,eは定数)のような、変数(動く数)が“2種類”ある関数の最小値を求める方法について考えます。

変数間の条件式が与えられている場合(1)

まずは最も簡単なタイプから解いていきましょう。

問1:\(f(x,y)=x^{2}+2x+y^{2}+2y+1でx+y=2\) の”最小値”と、その値をとる時の”x”、”y”を求めなさい。

文字は2つありますが、条件式(x+y=2)を与えられているので、1文字消去(xでもyでも構いませんが計算が楽になる方)を行うことで単純な2次関数の問題に変形できます。

y=2-x・・・より、f(x,y)=の“y”に(2-x)を代入し、\(=x^2+2x+3(2-x)^{2}+2\)

\(=4\Large{(x^{2}-\frac{5x}{2})+14}\)

これを平方完成することで最小値が求まります。

\(=4\Large{(x-\frac{5}{4})^{2}+\frac{31}{4}}\)

上式より、x=5/4、y=2-(5/4)=3/4のとき最小値31/4をとる。・・・(答)

条件式有り+置き換え時に注意が必要なタイプ

次の問2は、先ほどの問1とほとんど同じに見えますが、実数条件に注意が必要なタイプです。

問2:\(f(x,y)=3x^{2}+2x+y^{2}+5 で3x+y^{2}=5\)の時の”最小値”と、その時の”x、y”を求めなさい。

この問題のように、条件式の次数が文字によって違っている場合、より高次の(ここでは3xよりも、y2)文字を代入して1変数関数の問題に変形させます。

(注意!!※:ここで、y2=5-3xとして、f(x,y)に代入し、そのまま問1と同じ手順で最小値を求めて終わり・・・ではありません!)

yは実数(条件より)ということは、y2は必ず0以上です。

ゆえに、もちろんその2乗である”変形した条件式”の(右辺)=5-3xも0以上である必要があります。

従って、xの条件は以下の通りです。

$$\frac{5}{3}>x$$

次に条件式をyの二乗に代入し、\(=3x^{2}+2x+(5-3x)+5\)

整理すると、以下の様にx=(-1/2)の時に最小値を取ることがわかります。

このx=(-1/2)は置き換えた時の条件(x<5/3)を満たすので、

$$=3(x+\frac{1}{2})^{2}+\frac{37}{4}$$

したがって、 x=(-1/2)、y=13/2のとき、最小値37/4をとる。

純粋な2変数関数の問題の解法(3)

問3:\(f(x,y)=2x^{2}+3x+y^{2}+2y+5\)の”最小値”と、その値をとる時の”x、y”を求めなさい。

この問3には条件式がありません。数学1の範囲では最も難しいタイプです。

一文字固定法の意味と手順

1文字消去ができないこのような場合には、『1文字固定』という定石の解法があります。

すなわち、まずどちらか一方の文字だけに注目し、平方完成した上で(この時もう一方の文字は変数ではなく『定数』扱いをします)、その後残ったもう一つの文字で平方完成するという解法です。

実際に回答を作っていくので、上の説明がよくわからなくても見てみてください。

(step1):xだけに注目して平方完成する

まず\(f(x,y)=2x^{2}+3x+y^{2}+2y+5 \)の式のうちxだけに注目して平方完成します。

まず次のように、xの式を整理し、$$2(x^{2}+\frac{3}{2}x)+y^{2}+2y+5 $$

これを平方完成して、$$2(x+\frac{3}{4})^{2}+y^{2}+2y+\frac{31}{8} $$

となり、

\(x=-\frac{3}{4}\) のとき、(最小値):「\(y^{2}+2y+\frac{31}{8}\)」を取ることがわかります。

(step2):残ったyだけに注目して平方完成する

\(f(x,y)==2x^{2}+3x+y^{2}+2y+5\)の式のうち残った$$『y^{2}+2y+\frac{31}{8} 』$$の部分を、今度は固定していた"y"に着目して平方完成すると、式は次のようになります。$$(y+1)^{2}+\frac{23}{8}$$

(step3):1,2をまとめ、2変数関数の最小値とその時のx、yの値を求める

step1・2の式をまとめると以下の式となり、

$$2(x+\frac{3}{4})^{2}+(y+1)^{2}+\frac{23}{8}$$

\(x= -\frac{3}{4}\)、かつ、y=-1 のとき

2変数関数全体の最小値『\(\frac{23}{8}\)』が求まりました。

(応用編:偏微分の利用)

(ココの項は微分を既習で、応用的な範囲を学びたい人向けです)

高校範囲外で、試験には使えませんが『検算』する時に役立つ偏微分について触れておきます。

(以下の記事中で偏微分の簡単な解説をしているので、そこだけご覧ください)

機械学習のための"偏微分"・合成関数の微分を高校レベルで解説

<現在実際の使い方を追記中です>

2変数関数の最小問題のまとめと関連記事

・条件式があれば事実上”1変数関数”の問題に出来るが、実数条件に要注意

・条件式が無ければ、一文字固定法を利用する

・今回紹介した方法の他にも最大・最小問題の解法は色々とあるので、随時更新していきます。

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(2020/02/08作成):「(応用)ラグランジュの未定乗数法で最大値を求める方法

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今回も最後までご覧いただき、有難うございました。

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