無限級数と収束条件

今回は等比数列を無限に並べた無限等比数列の解説と、それを足し合わせた無限等比級数の公式と収束条件を例題を通して学んでいきます。

 

以前の極限シリーズは↓より

高校数学Ⅲ極限第一回「極限の意味から、片側極限、関数の連続性まで〜」

高校数学III極限第二回「色々な極限公式と計算の工夫」

無限等比級数と収束条件

・無限級数とは?

・無限級数の計算法

・部分和をとって部分分数分解

・無限等比級数の計算法

・column:0.999・・・=1

・収束条件の問題

無限(等比)数列と無限(等比)級数の違い

これまでのシリーズでは「数列」そのもの、つまり一般項(an)の極限をとった時anがどの様な挙動をするのかを学んできました。

そして第3回目となる今回は「無限級数」・「無限等比級数」を学んで行きます。

その前に「無限数列」と「無限級数の違い」を簡単に説明しておくと、

無限数列が数列を無限に並べたものであるのに対して、無限級数はその無限個ある数列を全て足し合わせたものを言います。

また、無限等比級数は無限級数の一種と考えることができます。

なぜなら、無限等比級数が対象にする数列は「等比数列」だけと言う違いがあるだけだからです。

無限級数の計算法

では無限級数は実際どの様にして求めるのでしょうか。

多くの場合、「部分和」と呼ばれる第n項まで求めて(これをSnとします)、

次に、その部分和Snの極限をとる。と言う方法で計算して行きます。

(例題1)$$\frac {1}{1\times 3}+\frac {1}{2\times 4}+\ldots +\frac {1}{n\left( n+2\right) }+\ldots $$

の無限級数を求めると事にします。

先ずは、一般項Anをチェックして、$$a_{n}=\frac {1}{n\left( n+2\right) }$$

Snを求めます。ここでは部分分数分解が出来そうなので、簡単にしていきます。

$$a_{n}=\frac {1}{n\left( n+2\right) }=\frac {1}{2}\left( \frac {1}{n}-\frac {1}{n+2}\right) $$

$$S_{n}=\frac {1}{2}\left( \frac {1}{1}-\frac {1}{3}+\frac {1}{2}-\frac {1}{4}+\frac {1}{3}-\frac {1}{5}\ldots +\frac {1}{n-1}-\frac {1}{n+1}+\frac {1}{n}-\frac {1}{n+2}\right) $$

途中、式が綺麗に打ち消し合って

$$S_{n}=\frac {1}{2}\left( \frac {1}{1}+\frac {1}{2}-\frac {1}{n+1}-\frac {1}{n+2}\right) $$

$$\begin{aligned}S_{n}=\frac {1}{2}\left( \frac {1}{1}+\frac {1}{2}-\frac {1}{n+1}-\frac {1}{n+2}\right) \\
=\frac {1}{2}\left( \frac {3}{2}-\frac {2n+3}{\left( n+1\right) \left( n+2\right) }\right) \end{aligned}$$

 

ここで、部分和の極限をとるので、

$$\begin{aligned}\lim _{n\rightarrow \infty }S_{n}=\frac {1}{2}\left( \frac {3}{2}-\frac {\frac {2h}{n^{2}}+\frac {3}{h^{2}}}{\frac {n^{2}}{n^{2}}+\frac {3n}{h^{2}}+\frac {2}{n^{2}}}\right) \\
\overrightarrow {\infty }=\frac {3}{4}\end{aligned}$$

よって、数列Anの無限級数は、3/4と求まりました。

この様に、「Anを調べて、部分和を部分分数分解し、その値の極限を取る」事で無限級数を求める手順は頻出なので、

是非手元の参考書や問題集で繰り返し練習しておいて下さい。

無限級数の収束についての注意

Σk=1、n→∞Anが収束するならば、limn→∞An=0に収束するが、その逆、つまりAnが収束するからといって、Σが収束するとは限らない。

無限等比級数の公式と収束条件

次に、無限等比級数の計算法について解説して行きます。

これは、等比数列の総和の極限でした。従って、等比数列の普通の和の公式を変形することで上手く計算できます。

等比数列の和の公式

A(1)=0の時、公比rにかかわらず収束

A(1)≠0の時、等比数列の和の公式は、

$$S_{n}=\frac {a_{1}\left( 1-r^{n}\right) }{1-r}$$

Sn=A1(1-r^n)/(1-r)

無限等比級数の計算公式と収束条件

A(1)≠0の時、無限等比級数が収束する条件は公比rが、|r|<1 を満たす事です。

ここから、等比数列の和の公式を無限等比級数の公式に変形して行きます。

limn→∞Sn=A1(1-|r|^n)/(1-r)

$$\lim _{n\rightarrow \infty }s_{n}=\frac {a_{1}\left( 1-r^{n}\right) }{1-r},\left| r\right| <1$$

$$ここで\lim _{n\rightarrow \infty }r^{n}=0,\left( -1 <r < 1\right) より$$

limn→∞|r|^n=0より

$$無限等比級数は\sum ^{\infty }_{n=1}a_{n}=\frac {a_{1}}{1-r}$$

A1/(1-r)      で計算出来ます!

無限等比級数の収束条件を問う例題

ここで無限等比級数の収束条件を求める問題を紹介します。

$$今a_{n}=3x+\frac {3x}{\left( 2+x\right) }+\frac {3x}{\left( 2+x\right) ^{2}}+\ldots $$
$$という数列Anがある。この数列の総和、無限等比級数が収束する為のxの範囲を求めよ。但し、x≠−2とする$$
$$ここで、この数列Anは初項3x、公比r=\frac {1}{\left( 2+x\right) }より$$
$$収束条件が\left| r\right| <1だから$$
$$\left| \frac {1}{2+x}\right| <1$$
$$\frac {1}{\left| 2+x\right| } <1,1 <\left| 2+x\right| $$
$$1 <\left| 2+x\right| \Leftrightarrow x >-1,x <-3$$
$$従って、収束条件は、x<ー3、x>−1$$

column:0.999・・・=1を無限等比級数で確かめてみよう!

この式の説明はこれまで、次の様にされていたはずです。

S=0.999・・・#1

10S=9.999・・・#2

#2-#1より

9S=9

∴ S=1 ⇔1=0.999・・・

しかし、無限等比級数の考え方を使うと

0.999・・・という数字は初項0.9、公比1/10の等比数列の和と見ることができます!

0.9+0.09+0.009+・・・

$$ここで、先程の「A1/(1-r)  」の公式を使うと$$

0.9/(1-1/10)=0.9/0.9=1

$$\sum ^{\infty }_{n=1}a_{n}=\frac {0.9}{1-\frac {1}{10}}=\frac {0.9}{0.9}=1$$

と、とても綺麗に示すことが出来ました!

 まとめと極限分野関連記事

数列や関数の極限は、今後の数3の微積分にも大きく関わってきます。

是非その基本である、無限級数・無限等比級数をこの記事で理解してもらえれば嬉しいです。

また、理解できたら、定期的に類題や発展問題に取り組むことをお勧めします。

更に数3は計算力が大変重要になるので、できるだけ早いうちからスピードアップとケアレスミスがなくなる様に、

時間をはかって多くの問題を解いていきましょう。

<オススメ>極限を得意にする記事6選まとめ

今回もお疲れ様でした。

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