場合の数と確率超入門講座第3回
場合の数と確率超入門シリーズの第3回目は、n桁の数を作る場合の数について解説していきます。
この分野の総まとめ記事は、右のリンクからご覧いただけます。→「場合の数と確率を得意分野に!解法・解説まとめ」
<出来れば第一回からお読みください!>
第一回「順列と組合せ、PとCの違い」を読む。
第二回「円順列/数珠順列と同じものを並べる場合の数」を読む。
目次(タップした所へ飛びます)
◯桁の数を作るタイプの問題
いきなりですが、問題を使ったほうが分かりやすいので、例題から始めます。
<例題>:0から9までの10種類の数字が書かれたカードがそれぞれ一枚ずつ、計10枚ある。この中から、5枚を選んで並べる時下の様な条件に当てはまる数はいくつ出来るか。
(問1)5桁の整数
(問2)5桁の偶数
・・・・・
入門講座なので、見たことがある人/無い人両方いるかと思います。
非常に有名な問題なので、解き方だけでなく「考え方」を理解しておきましょう。
場合の数と確率の鉄則
【条件のキビシイ所からうめていけ!】これから何度も聞くであろうフレーズです。
では早速、問題1から見ていきましょう。
この問題では「5桁」と言う条件が最も重要です。
なぜなら、最高位に0を入れると4桁になってしまうからです。
そこで、(問1)は、まず「条件のキビシイ最高位」が「1〜9」のいずれかでないといけないので、9通り。
あとは残りの4桁に「1〜9」の中から、最初に選んだ数を除いて、「0」のカードを加えた9枚から4枚を選んで並べます。
$$よって、9\times {}_9 P_4$$
PやCについて詳しくは→「PとCの違いと計算方法」
計9× 9× 8× 7× 6 =27216 通り
よって、27216(通り)・・・(答)の数が出来ます。
(問2):5桁の偶数を作る時必要な条件は?
<条件1>:最高位の数字が0でないこと
<条件2>:一の位の数字が(0、2、4、6、8)のいずれかであること。
の2つの条件を満たす必要があります。
誤答と場合分けによる解決策
ここで初心者がやりがちなミス
最高位の数字を「1〜9」から選んで、一の位を「0、2、4、6、8」から選ぶ。
あいだの3つの数字は残りの8個の数字から選ぶので、
9× 5×8× 7×6 =15120(通り)・・・(これはバツです)
何がいけないか気付きましたか?
『最高位の数字に「2、4、6、8」を選んでいるかもしれない』ということを全く考慮せずに、一の位を「0、2、4、6、8」から選んでしまっています。
この様な問題では「場合分け」をする必要があります。
つまり、
・一の位の数字が「0」の時、残りの9個の数字から4つ選び並べる。・・・(*1とします)と
・一の位の数字を「2、4、6、8」から選び、次に最高位の数字を「0と一の位で選んだ数以外」から選びます。
残りの3つの数字は一の位と最高位の数字以外の8つから選んで並べます。・・・(*2とします)
では順番に計算していきましょう。
まずは(*1):一の位の数字の選び方は、「0」でけなので、1通り。
それ以外の4つの数字は「1〜9」から選んで並べるので\({}_9 P_4通り\)
∴(※1)の場合は、
$$1\times {}_9 P_4=3024(通り)$$
次に(*2)
一の位の数字は「2、4、6、8」から選んで4通り
最高位の数字は、0と「一の位に選ばなかった数字」から選んで8通り。
あいだの3桁は余った8つの数字から選んで並べるので、
$$4\times 8\times {}_8 P_3=10752(通り)$$
従って、最後に(*1)と(*2)をたして、
3024+10752=13776(通り)の数が出来ます。
まとめと次回予告(倍数判定法)
次回は、今回の問題を少しだけ応用して、◯桁の△の倍数の数字を作る場合の数と、「2から9までの倍数の判定法」を紹介します!
続編:「場合の数と確率超入門(4)倍数判定法と場合の数」を読む。
今回も最後までご覧いただき有難うございました。
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