合成関数の意味とその微分 +対数微分法
今回は、数学3の微積分で必須の「合成関数の微分法」及び、「対数微分法」について解説していきます。
特に、対数微分法を苦手とする人は多いので、ぜひじっくりとご覧ください。
目次(タップした所へ飛びます)
合成関数とは?そしてその微分
・合成関数とは
・合成関数の微分法
・対数微分法とは
・今回のまとめ
合成関数とは?
合成関数とは、関数の中に関数が入ったものという事が出来ます。
<合成関数:f(gx)とg(fx)の例>
例えば、f(x)=sinxとg(x)=exという二つの関数がある時、f(x)とg(x)の合成関数は、
\(\begin{aligned}f( g( x)) =f\circ g( x) \\
g( f(x) ) =g\circ f(x) \end{aligned}\)
\(( f\circ g)(x) =f(g(x))と書いて=\sin e^{x}\)になります。
見ての通りf(x)のxの部分にg(x)を代入したものです。
逆に\(( g\circ f) (x) =g(f(x))は=e^{\sin x}\)となります。
合成関数の微分
では上の合成関数を実際に微分して見ましょう。名前の通りf(g(x))やg(f(x))を微分する事です。
\(\{ f\circ g(x) \} '=g'(x) f'(g( x)) \)
\(「元のf(g_{x})をf◯と考えて、{f◯}’=f’◯×◯‘」\)
この式だけでは分かりにくいかも知れないので、実例を紹介します。
合成関数微分の実例
まずは上の図にある合成関数の微分をやってみましょう。
\(( f\circ g)( x)=\sin e^{x}\)
\((\sin e^{x})'=\cos e^{x}\cdot e^{x}=e^{x}\cos e^{x}\)
$$\{(g\circ f)(x)\} '=(e^{\sin x}) '$$
$$=e^{\sin x}\cdot \cos x=\cos x\cdot e^{\sin x}$$
もう一題例を挙げておきます。
合成関数微分の例(2)
f(x)とg(x)をそれぞれ、
f(x) =\sin x、g(x) =3x2とします
\(f\circ g(x) =\sin (3x^{2})\)この合成関数を微分すると
\(\{ f\circ g(x)\} '=g'( x) f'(g( x)) より\)
\(\{f\circ g(x)\} '=(3x^{2})'\cos 3x^{2}⇔ 6x\cos 3x^{2}\)
勾配降下法の記事から来た方は、ここで>>「勾配降下法(機械学習の理論)を解説」へ移動してください。
対数微分法とは
対数微分法とは、合成関数の微分法の考え方を用いて、
微分する式の両辺の自然対数(対数のうち、底がe;ネイピア数であるもの)
を取ってから微分する方法です。
<対数の基礎が不安な人はこちらの記事を先にご覧ください
この方法は、微分したい関数が、(xを含む関数)乗されている様な場合に特に役に立ちます。
なぜなら、上の対数の基本の記事でも紹介しましたが、対数の特徴である、
\(\log ◯^{△}=△\log ◯\)という変形(ここでの対数の底は全てeです)によって
肩の(xの式)乗を前に持ってこれるので、より簡単な積の微分に変えることが出来るからです。
例:f( x) =xsin xや、f( x) =xlog xなどなど。
対数微分法の実例と手順
では、実際に関数の肩の部分に(xの式)がのっている関数を対数微分してみます。
例)y=xxを微分します。両辺自然対数を取って、
log y=xlog x
$$\frac {dy}{dx}=y'$$を求めたいので両辺をxで微分しますが、
左辺の、log yはxで直接微分出来ないので、
$$一旦yで微分してから、\frac{dy}{dx}で帳尻を合わせます。$$
<↑ここが対数微分での最大のポイントです!>
$$( \frac {dy}{dx}) ( \frac {d}{dy}) \log y=\frac {d}{dx}( x\log x) $$
$$y'\frac {1}{y}=(x) '\log x+x(\log x) '$$
\(\begin{aligned}\frac {y'}{y}=\log x+x\cdot ( \frac {1}{x}) \\
⇔ y'=y( \log x+1) \end{aligned}\)
最後に、y=xxより、式のyに=xxを代入することによって、
(答)y'=xx(log x+1)
確認例題(対数微分)
y=xlog xを対数微分法を使って微分せよ。
少し時間をとって自分で解いてみてください。
解答
今回は、xの肩に(logx)がのっています。ただ、やることは同じです。
まず、両辺自然対数をとって、log y=(log x)×(log x)
肩のlogxを前に持ってきます。
$$\frac {dy}{dx}×\frac {d}{dy}\log y=\frac {d}{dx}( \log x) ^{2}$$
$$y'×\frac {1}{y}=2\log x× \frac {1}{x}$$
y=xlog xだったので、式中のyに代入して、
$$y'=y× ( \frac {2\log x}{x})$$
$$y'=x^{\log x}×( \frac {2\log x}{x})$$
が答えです。
数学Ⅲの微分法関連記事へ
続編→<<「陰関数の意味と陰関数微分のやり方」>>
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