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ベータ関数【難関大頻出】

<この記事の内容>:難関大・学部でテーマとして出題されやすい「ベータ関数:第1種オイラー積分」の証明問題を解きながら、その特徴や応用法などを解説していきます。(この記事は:「積分漸化式の4パターンと問題の解法」の続編です。)

<関連記事>:「数学3:微積分法まとめ

ベータ関数とは

一般的に、次のような式をベータ関数といいます。

$$B(p,q)=\int_{0}^{1}x^{p-1}(1-x)^{q-1}dx$$

そして、(p,q)を自然数に限定した場合(ここからはp=k,q=lとします)

が高校数学(難関大入試)で頻出です。

β関数の典型(証明)問題

\(B(k,l)=\int_{0}^{1}x^{k-1}(1-x)^{l-1}dx\)

かつ、k,lが共に自然数であるとする。

(1):B(k+1,l-1)とB(k,l)の関係式を導け。

(2):B(k,l)をkとlだけの式で表せ。(hints!【1】を利用する。)

(3):$$\int_{\alpha}^{\beta}(x-\alpha)^{k-1}(\beta-x)^{l-1}dx$$

$$=(\beta-\alpha)^{t}\frac{(k-1)!(l-1)!}{(k+l-1)!}$$を導け。

解説

いきなり自分で解くのは難易度が高いので、分からない人は解答・解説を見ながら流れをつかんでください。

なお、(1)では部分積分がKeyとなるので「部分積分の仕方とコツ”下箱法”を実例で解説」も併せてご覧ください。

(1):部分積分法の利用

以前に紹介した、「積分漸化式4パターンと問題の解き方」と同じく、ここでも部分積分を用いて『B(k-1,l-1)とB(k,l)の関係式』を作っていきます。

beta-functionに関わる式変形のイメージ2

<上図1>のようにB(k,l)を部分積分していくと、

$$\int_{0}^{1}x^{k-1}(1-x)^{l-1}dx$$

$$=[\frac{x^{k}}{k}(1-x)^{l-1}]_{0}^{1}+\frac{l-1}{k}\int_{0}^{1}x^{k}(1-x)^{l-2}dx$$

左側は0〜1を代入すると=0となるので、結局

$$B(k,l)=\frac{l-1}{k}\int_{0}^{1}x^{k}(1-x)^{l-2}dx$$

ここで、\(x^{k}(1-x)^{l-2}\)はB(k+1,l-1)と書ける(xのk-1乗がk、1-xのl-1乗がl-2になっていることより)ので、

$$B(k,l)=\frac{l-1}{k}B(k+1,l-1)\cdots (答)$$

(2):関係式を繰り返し使用

さて、次はベータ関数をk、lの文字だけで表しましょう。

ここでのポイントは、(1)で作ったB(k,l)とB(k+1,l-1)の関係式をうまく使うことです。

$$B(k,l)=\frac{l-1}{k}B(k+1,l-1)\cdots (※)$$

(※)より、$$B(k+1,l-1)=\frac{l-2}{k+1}B(k+2,l-2)$$

左辺のB(k+1,l-1)を(※)の右辺に代入して、

$$B(k,l)=\frac{l-1}{k}\cdot \frac{l-2}{k+1}B(k+2,l-2)$$

これをB(k+l-1,1)になるまでどんどんと行うと、

$$B(k,l)=\frac{l-1}{k}\cdot\frac{l-2}{k+1}\cdots \frac{1}{k+l-2}B(k+l-1,1)$$

ここで$$B(k+l-1,1)=\int_{0}^{1}x^{k+l-2}(1-x)^{0}dx$$

の積分を行うと、$$=\frac{1}{k+l-1}$$

よって、$$B(k,l)=\frac{l-1}{k}\cdots \frac{1}{k+l-2}\cdot\frac{1}{k+l-1}$$

・・・(※※)

階乗の形を上手く使う(式変形のコツ)

ここで、(※※)をよく観察してみると、分母は(k+l-1)から一つずつ値が減ったものを掛け合わせているので、階乗の形\((k+l-1)!\)で表せます。

しかし、あくまで分母は”k”までであることから、\((k+l-1)!\)だけでは割り過ぎてしまうので、調整が必要です。

(具体的には、(-1)の部分が(-2,-3,,,,-l);つまり\((k+l-l)!を(k)!\)までにする必要があります。)

そのため、(k-1)から(1)までの部分を相殺する”\((k-1)!\)”で割ってあげれば上手くいきます。

一方(※※)の分子は単純に\((l-1)!\)で表せます。

よって、$$B(k,l)=\frac{(l-1)!}{\frac{(k+l-1)!}{(k-1)!}}$$この分母の(k-1)!を払ってあげることで

$$B(k,l)=\frac{(k-1)!(l-1)!}{(k+l-1)!}$$

とベータ関数を"kとl"の文字だけで表すことができました。

β関数の特徴と応用

さて、ここから興味深い公式が導けます。

(3):有名公式へ

次のように、ベータ関数によって(左辺)の積分が(右辺)のようなカタチで表すことができることが知られています。

$$\int_{\alpha}^{\beta}(x-\alpha)^{k-1}(\beta-x)^{l-1}dx$$

 $$=(\beta-\alpha)^{k+l-1}\frac{(k-1)!(l-1)!}{(k+l-1)!}$$・・・(※※※)

この結果を少し変形してみます。

1/6公式へ

ここで、k=l=2を代入することで、

$$\int_{\alpha}^{\beta}(x-\alpha)(\beta-x)dx=(\beta-\alpha)^{3}\frac{(0)!(0)!}{(3)!}$$

$$\int_{\alpha}^{\beta}(x-\alpha)(\beta-x)dx=\frac{1}{6}(\beta-\alpha)^{3}$$

これは超有名公式「面積公式(1/6)」です!ベータ関数から馴染み深い式が導出できました。

とりあえず、(※※※)の式を簡単に示しておきましょう。

まず、(左辺)の$$\int_{\alpha}^{\beta}(x-\alpha)^{k-1}(\beta-x)^{l-1}dx$$

について。

このように、一見どのようにすれば証明できるのかがわからない場合、前の誘導に従うことを考えます。

ここでは、β関数に似せたカタチにできないか検討します。

すると、\((x-\alpha)^{k-1}\)の部分はほとんど同じ、\((\beta-x)^{l-1}\)もβが増えて-xになっていますが全体的には似た形をしています。

後は積分区間が異なるので、ここを揃えつつ上手く似せる方法を考えます。

\(u=\frac{x-\alpha}{\beta-\alpha}\)で置換し、x=の形に直して

\(x=(\beta-\alpha)u+\alpha\)

より、

$$\int_{0}^{1}(\beta-\alpha)^{k+l-1}u^{k-1}(1-u)^{l-1}du$$

これでほぼβ関数の形になりました。

あとは(β-α)の部分を前に出せば残りはB(k,l)で表せるので、

\(=(\beta-\alpha)^{k+l-1}B(k,l)\)

この\(B(k,l)=\frac{(k-1)!(l-1)!}{(k+l-1)!}\)を代入すれば(3)の式を導くことができます。

β関数まとめ

最後の『応用』や有名な面積公式が導出できただけでなく、このベータ関数と第二種オイラー積分(ガンマ関数)にはさらに興味深い性質があります。

興味がある人は是非大学などで更に詳しく学んでください!

関連記事・積分漸化式へ

数学Ⅲ:微分積分とその応用まとめ

積分漸化式4パターンの解法を解説

 

 

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