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執筆者・編集者プロフィール
安田周平
個別指導塾YES/YESオンラインスクール塾長・船場物産株式会社代表取締役社長。
理数・情報系記事とデータサイエンスの為の基本レベルの線形代数等の解説記事を執筆しています。

極形式に変換して点を自由に回転伸縮させよう!

前回の「複素数平面とは?基本から極形式・直交形式の意味・変換まで」の続編として、この記事では複素数を直交形式から極形式に変換し、

その掛け算・割り算が複素数平面で回転・拡大/縮小する理由を解説していきます。

複素数の積・商(極形式と回転)

・まずは極形式に変換せよ!(前回解説)

・極形式同士の積の計算法とその証明

・複素数平面上での意味

・極形式同士の商の計算法とその証明

・複素数平面上での意味(割り算編)

 

前回に引き続き複素数平面の最大の「ウリ」である回転・伸縮について解説していきます。

前回の記事は→「複素数平面の直交形式/座標と極形式/極座標がわかる」

 

極形式:Z=r(cosθ+isinθ)

 

\(z_{1}=r_{1}( \cos θ_{1}+i\sin θ_{1}) \)

\(z_{2}=r_{2}(\cos θ_{2}+i\sin θ_{2}) \)

極形式にした複素数同士の積

z1とz2を掛けると

$$z_{1}z_{2}=r_{1}r_{2}(\cos θ_{1}+i\sin θ_{1})( \cos θ_{2}+i\sin θ_{2}) $$となり、これを整理して

\(r_{1}r_{2}\{ ( \cos θ_{1}\cos θ_{2}-\sin θ_{1}\sin θ_{2})+i(\sin θ_{1}\cos θ_{2}+\cos θ_{1}\sin θ_{2})\}\)

ここで、中括弧のなかを加法定理を用いて変形すると

\(r_{1}r_{2}\{ cos( θ_{1}+θ_{2}) +i\sin (θ_{1}+θ_{2})\} \)

複素数平面上での意味

「大きさは掛け算、偏角は足し算」

では、上で計算した複素数どうしの積はどんな意味があるのでしょうか。

\(r_{1}r_{2}\{ cos(θ_{1}+θ_{2}) +i\sin ( θ_{1}+θ_{2})\} \)

の式をよくみると、絶対値は掛け算(r1・r2)偏角argθの部分は足し算になっています。

これを複素数平面上に表すと<図2>の様になります。

極形式での複素数の積

<図2:複素数平面でのかけ算>

これは、かけた極形式の分(r2)だけ絶対値が大きくなり、偏角argθ2の分だけ反時計回りに回転させた事を意味します。

逆に言えば、ある複素数平面上の点Zを”r倍”して”θ分回転”させたければ、

それに対応する複素数の極形式をかければ良い事が分かります。

極形式にした複素数同士の商

次に、極形式での複素数の割り算の意味を見ていきます。

$$\frac {Z_{1}}{Z_{2}}=\frac {r_{1}}{r_{2}}\times \frac {\cos θ _{1}+i\sin θ_{1}}{cosθ _{2}+i\sin θ_{2}}$$

分母分子に(cos θ2ーisin θ2) をかけて

複素数どうしの商の意味(式変形)

$$\frac {r_{1}}{r_{2}}\frac {( cosθ_{1}+isinθ_{1}) ( \cos θ_{2}-i\sinθ_{2}) }{( \cos θ_{2}+i\sin θ _{2}) ( \cos θ _{2}-i\sin θ_{2}) }これを展開して$$

更に加法定理を分子に用いて

$$\frac {r_{1}}{r_{2}}\frac {cos( \theta _{1}-\theta _{2}) +i\sin (θ_{1}-θ_{2}) }{( cos^{2}\theta _{2}+\sin ^{2}\theta _{2}) }$$

\(\sin ^{2}θ_{2}+\cos ^{2}θ_{2}=1より分母は1\)

(参考:「三角比・三角関数の相互関係と公式」)

したがって$$\frac {z_{1}}{z_{2}}=\frac {r_{1}}{r_{2}}\{ \cos( θ_{1}-θ _{2}) +i\sin ( θ _{1}-θ_{2})\} $$

複素数平面上での意味(割り算編)

「大きさは割り算、偏角は引き算」

複素数平面上での積の意味と同様に、極形式同士の割り算をすると、

<図3>のようにその分絶対値が小さくなり、

偏角argθが小さく(時計回りに回転)する事が分かりました。

極形式での複素数の割り算

<図3:複素数平面での割り算>

次回と複素平面のまとめ記事へ

複素数平面第3回:「ド・モアブルの定理とその三角関数への応用

〜複素平面総まとめ記事(NEW!)〜

複素数平面を0から解説:総まとめページ

 

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次回は、この複素数の積/商の性質を使って自由自在に点を動かせるようにし、

図形問題への応用へつなげていきます。

 

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