このページには広告が含まれています。

執筆者・編集者プロフィール
安田周平
■個別指導塾YES/YESオンラインスクール塾長・船場物産株式会社代表取締役社長。
★塾長及びyesの講師陣がマンツーマンで英検・TOEIC・TOEFL・数検・大学入試対策(英・数・物・化・情報1)を指導します。(東京・大阪・オンライン)
★詳細は以下のリンクよりお問い合わせください。
■『スマナビング!を見て受講希望』とお伝えいただければ、特別優待を準備しています。

数列の和とΣ(シグマ)記号の意味と使い方

*この記事では、$$等差数列の一般項a_{n}=a_{1}+d( n-1)と $$

$$等比数列の一般項a_{n}=a_{1}\times r^{n-1}$$

は既知として、Σ公式やその証明などを解説していきます。

もし、分からなければ先に→等差数列と等比数列の一般項(漸化式の解き方)

をぜひ読んでおいて下さい!

数列の和とΣ記号

数列の和、特にシグマ記号に苦手意識を持っている人が多いですが、具体例とともに見ていくと案外単純であることに気付くと思います。

Σは数列の問題を解く上で外せない分野なのでこの記事でしっかりと抑えておきましょう。

はじめに、等差数列と等比数列の和の公式を確認しておきます。

等差数列の和の公式

等差数列の和は、Sn={(a1+an)×n}/2、つまり

$$S_{n}=\frac {\{(初項)+(末項)\} \times (項数) }{2}$$

で表されます。

等差数列の和のイメージ
例えば、初項1、公差1、項数10の等差数列の和でこの公式の意味をイメージして貰います。
この数列を実際に並べてみると、
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10 となります。
ここで、5、と、6のところを境にして数列を折り返してみると
1、2、3、4、5
10、9、8、7、6
上の段+下の段を並べると
11、11、11、11、11
と(初項1)+(末項10)を足した数(=11)が(項数10)の半分(=2で割った)である(5個)並ぶので、この数列の和は55となり、確かに上の等差数列の和の公式と一致します。

等比数列の和の公式

次に等比数列の和の公式は、下の式で表されます。
数列の和={初項×(公比のn乗-1)}/(公比-1)
$$S_{n}=\frac {a_{1}(r^{n}-1)}{r-1},r\neq 1$$
等比数列の和の証明
等比数列の和の公式の証明をおこなっていきます。 少し工夫が必要な証明ですが、
今後頻繁に使う方法なので、ついてきて下さい。
初項A、公比r、項数nの等比数列の和をSnで表すと
\(S_{n}=a+ar+ar^{2}+\ldots +ar^{n-1}・・・(*)\)
ここで、Sn全体にr(公比)をかけた”rSn”を並べます。
\(rS_{n}=ar+ar^{2}+ar^{3}+\ldots +ar^{n}・・・(**)\)
この(**)から(*)を引いてあげると、
\(\begin{aligned}rS_{n}=ar+ar^{2}+ar^{3}+\ldots +ar^{n}\\
S_{n}=a+ar+ar^{2}+\ldots +ar^{n-1}\end{aligned}\)
すると、間の項がうまく打ち消しあって、\(rS_{n}-S_{n}=-a+ar^{n}\)となります。
ここで、Snとaで左辺と右辺をくくると
\((r-1)S_{n}=a(r^{n}-1)\)
(rー1)で両辺を割り、
$$s_{n}=a\frac {(r^{n}-1)}{(r-1)}$$
と、確かに公式が証明できました。

Σ:シグマ記号の規則と公式

Σ記号は一見ややこしそうに見えるのですが、ひとつひとつ説明していきます。
$$\sum ^{n}_{k=1}a_{k}の記号の意味は、$$
「Ak(kの式)をΣ記号の下に表記されているk=1、即ちA1から、Σ記号の上に表記されているn項目Anまで全て足し合わせますよ」、と言っているのです。
上のnが10ならば10番目まで、nがn-1ならばn-1番目までの総和となります。
具体例を挙げると、
$$\sum ^{10}_{k=1}k=1+2+\ldots +8+9+10=55$$
のようになります。
このkの文字は添え字と呼ばれて、iやj等、他の文字でおくこともありますが、意味は同じです。
以下にΣ関係でよく使う公式を並べておきます、
$$\sum ^{n}_{k=1}k=\frac {n(n+1)}{2}$$
$$\sum ^{n}_{k=1}k^{2}=\frac {n(n+1)(2n+1)}{6}$$
$$\sum ^{n}_{k=1}k^{3}=\frac {\{n(n+1)\} ^{2}}{4}$$
また、シグマ記号には各文字ごとに分解できると言う大切な性質があります。
$$例えば、\sum ^{n}_{k=1}k^{3}+k^{2}+k+1 は$$
$$\sum ^{n}_{k=1}k^{3}+\sum ^{n}_{k=1}k^{2}+\sum ^{n}_{k=1}k+\sum ^{n}_{k=1}1と$$
同じ計算結果になります。
シグマに関しては、以上の基本を知っていれば、あとは数をこなせば十分使いこなせるようになるはずです。

関連記事;階差数列へ

今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。シグマの基本がわかれば、
次のステップとして、階差数列の範囲も理解できるようになるはずなので、一番初めに紹介した記事の、階差数列の漸化式の解き方←の部分を学んで見て下さい。
<数列の和の関連記事:「部分分数分解の仕方と数列の和への応用」>
上の記事では、部分分数分解を用いて、うまく数列の項を打ち消して和を求める方法を解説しています。
数列の漸化式の解き方全12パターンまとめ」の記事では、等差数列から、
連立漸化式までほぼ全ての漸化式の解き方(一般項の求め方)をまとめています。
ここまで、
・等差・等比数列の和の公式とその証明
・シグマ計算の公式
・プラスアルファとして、階差数列などへの応用
を紹介してきました。しっかりと復習して、今後頻繁に用いるΣに強くなりましょう!

Twitterでフォローしよう