地理B攻略シリーズ第3回:「大地形」
<この記事の内容>:さて、「系統地理と地誌の違い(第1回)」、「ケッペンの気候区分の概要(第2回)」に引き続いて、理系の生徒とも相性が良い『地理』の攻略法を紹介していきます。
内容は、ケッペンの気候区分の”原因”の一つにもなり、資源の分布をはじめとする地理のあらゆる分野に影響を与える『大地形』が中心です。
目次(タップした所へ飛びます)
大地形とは?~"大"地形と”小”地形を分けるもの~
大地形とは、教科書的に言うと『内的営力』によって形作られるものの事です。
これらは大きく3種類に分けられます。
また、反対に小地形も存在します。こちらは次回の記事で詳しく紹介しますが、
こちらは『外的営力』によって形成されます。
外的営力と内的営力の意味と違い
では、この”営力”とはどう言う意味があるのでしょうか?
”チカラ”と言う単語が入っている通り、地形に影響を与える”力”なのですが、”自然から加わる力”のことを”営力”と名付けているのです。
外的営力
外的営力は、”外部からの”チカラ:すなわち太陽エネルギー(やその影響で吹く風、雨)など地形からすると外側から受ける力のことを言います。(外的営力は”小地形の記事<作成中です>”で合わせて紹介します)
内的営力
一方で、内的営力は”内部からのチカラ”:つまりプレートの移動やマントルなど、地球の内部から受けるもののことで、上述した通り、今回学習する大地形はこの内的営力によって作られたものです。
(※:プレートおよびプレートテクトニクスについては別の記事で解説します。)
3つの大地形を分類
外的・内的営力がある程度理解できれば、次はその大地形ができた”時期”によって3つの種類に分けた(*)、
・”安定陸塊”
・”古期造山帯”
・”新期造山帯”
のそれぞれについて詳しく見ていきます。
(*):近年ではこれらの”分け方”などについて色々な議論があるのですが、本記事では現在の高校地理Bのカリキュラムの範囲内で解説しています。
安定陸塊
安定陸塊は、三つの大地形で最古のもので「先カンブリア時代(地球誕生〜5億年前)」ごろから造山活動が起こらず変化していません。
主な場所
主にアフリカ大陸・オーストラリア大陸・南極大陸・南北アメリカ大陸などの大部分。(新規・古期造山帯以外のほとんどの場所)
資源と特徴
もっともよく問われるのは『鉄鉱石』です。
特徴的な事として、さらに『卓状地』と『楯状地』と名付けられる場所があります。
卓状地と楯状地
この『卓状地(たくじょうち)』、『楯状地(たてじょうち)』は読み方も含めしっかりと覚えておきましょう。
卓状地とは
卓(たく):”食卓”などでも使われる”卓”の字は机の意味を持つ(=”平ら”)ように、卓状地は安定陸塊の中でも”平坦”な場所のことを言います。
安定陸塊が長い年月をかけて水中に沈んで、隆起し、を繰り返しているうちに表面がなだらかになっていきました。
(主だった卓状地:シベリア卓状地・ロシア卓状地など)
楯状地とは
たて(楯)の名前がついている通り、中央にかけて少し盛り上がった地形をしています。
(主だった楯状地:カナダ楯状地・バルト楯状地etc,,,)
古期造山帯
三つの大地形の中では、二番目に古いです。造山帯と名がついている様に、主に「古生代(5億年前〜2.4億年前)」ごろに造山活動が活発であった場所です。
その後、長い年月をかけて(雨風など)急峻な地形が削り取られたために”一般的には”なだらかな山になっています。
(※):例外のところは頻出なので、要チェックです。
主な場所
グレートディバイディング山脈(オーストラリア)、ウラル山脈(ロシア)、アパラチア山脈(アメリカ)等・・
かなり大雑把ですが、青で塗っている部分が古期造山帯にあたる場所です。
資源と特徴
・石炭資源
・上で示した山脈は、いずれも今後の地理の学習の際に何度も出てくる(例:グレートディバイディング山脈は大鑽井盆地のところなど)のでしっかりと覚えておきましょう。
例外
天シャン山脈:一般的にはなだらかな山脈のようになっている『古期造山帯』ですが、この天山山脈などは例外的に高い山脈となっています。
理由はプレートの動きによるもので、インド亜大陸の衝突などにより再び隆起しているからです。
上でも述べましたが、この例外は”場所・名前・原因(理由)”共に頻出なので注意して覚えておきましょう。
新期造山帯
3つの大地形で最も直近(新生代:6500万年前〜)ごろから形成され、今も活発に造山活動が起こっているものが”新期“造山帯です。
主な場所
環太平洋造山帯(太平洋のまわりを取り囲む一帯)・アルプス、ヒマラヤ造山帯。
コチラもザックリとですが図にしました。(詳しくはお手元の参考書・教科書等をご覧ください。。)
資源と特徴
・銅
・石油資源
・地震/火山活動が活発(日本はもちろん、ニュージーランドやチリ、アメリカのロサンゼルスなどは地震が頻発しています)
系統地理(大地形)まとめと関連記事へ
・形成された時期によって大きく3種類に分けられる。
・内的営力がその要因である
・資源(とくにエネルギーや鉱物)と特徴の例外:天山山脈など)に注意する。
次回「プレートテクトニクス」へ
次回は、『プレートと”プレートテクトニクス”とは?』を見ていきます。
また、この記事にも追記していきます。
〜地理Bシリーズ〜
第一回:「系統地理と地誌の違い・地理の学習法」
第二回:「ケッペンの気候区分の分類と覚え方」
第三回:「(今ここです)大地形の分類と内的営力」
第四回:「(作成中)プレートについて」
今回も最後までご覧いただき、有難うございました。
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