独学で始める地理B第三回「ケッペンの気候区分」

地理の学習に於いて、最も重要と言える「ケッペンの気候区分」を今回は解説していきます。

・「地理B第一回:地理のすゝめ」や

・「地理B第二回:系統地理と地誌の違いと勉強法のコツ」でも書いたように、

この「ケッペンの気候区分」と「大地形」を最初のうちにおさえておく事が地理を得意にし、また暗記量を激減させるコツです。

今回は大まかな意味と「コレは覚える!point」をイラストを使って紹介していきまます。

ケッペンの気候区分とは

ドイツ(生まれはロシア)の地理学者ケッペンが世界地図を気候や植生によって分けたものです。

A(熱帯気候)からE(寒帯)まで細かく分けられていますが、ここでは入試に必要十分な「13種類」を紹介しておきます。

「13種類」と聞くと大変だと思うかもしれませんが、それぞれの特徴と、ちょっとしたコツを掴めば大まかな記憶はできます。

地理の学習では、まず全体を見て、その後細部を見ていくことが重要です。

また、これは英単語など他の科目にも言える事ですが、初めから完璧に覚えこもうとせず、繰り返し学習した方が遥かに効果的です。

※地理の勉強の仕方については先述した「系統地理と地誌の違いと勉強のコツ」を是非先に読んでおいて下さい。

気候区分図と覚えるコツ

以下に概略図を載せていますが、手元の参考書や問題集などに正確な図があるので、そちらを優先して参照してください。

ケッペンの気候区分図

コツ1:基本となる、A〜Eの大文字の意味を知る

これは、5つだけなのでさっと覚えてしまいましょう。(無理に覚えなくとも、自然に覚えてしまいますが、、)

赤道直下を中心に、極に向かうにつれてA→Eとなっていきます。

 

A:熱帯

B:乾燥帯

C:温帯

D:亜寒帯

E:寒帯

 

コツ2:2番目のアルファベットの意味を覚える⇔(ドイツ語を数単語だけ覚える)

覚えると言っても数語です。また、ドイツ語は英語と同じゲルマン語派に属している上*、

日本の学問では昔からドイツ語がよく使われていたので、日本語になっているものもあり、それ程大変では有りません!

以下に覚えるドイツ語と意味(地理での意味)を並べておきます。

w :winter(ヴィンター:冬:英語のwinter) +乾燥(Trockene)→冬季乾燥(=冬季少雨気候)

s :sommer(ゾマー::英語のsummer) +乾燥(Trockene)→夏季乾燥(=夏季少雨気候)

f :feucht (独:濡れた=ここでは湿潤の意味)

m:mittelform(独:中間と言う意味です。)ここでは、w(冬季乾燥)とs(夏季乾燥)の中間に位置することを意味します

<基本的に上の2つの後ろに(独:Trockene:乾燥)がつくので、wならば冬季に乾燥=冬季少雨気候となります。>

<以下の大文字4単語はできれば覚えておいた方がいいものです。>

T :Tundra ツンドラ(気候)

F :Frost   氷雪(気候)

(1)の大文字E:寒帯と共に使われるのが上二つです。

W :Wüste 砂漠(気候)

S :Steppen 独:ステップ(気候)

この二つは(1)の大文字B:乾燥帯の時のみ使われるものです。

コツ3:(1)のA~Eと(2)の単語を組み合わせるだけ

例えば、気候区分【Dw】は何を意味するか考えてみましょう。

(1)より、Dは《亜寒帯》、(2)より小文字のwは《冬期乾燥》だったので、【亜寒帯冬季少雨気候】であることがわかります。

(乾燥→雨が降らない→少雨)

A(熱帯)〜E(寒帯)の分け方と詳細

ここからはコツ(1)のAーEの分け方について解説していきます。まず、A、C、Dの判別から。

(*):実際には以下の分類に加えて年間降水量と乾燥限界によって分類されますが、はじめはザックリでいいので全体像を捉えるべきと考えシンプルに分類しています。

熱帯・温帯・亜寒帯は、最暖月の平均気温がいずれも10℃以上である事が条件です。

(後述しますが、最暖月の平均気温が10℃未満ならE:寒帯に属します。)

その上で、最寒月の平均気温が-3℃未満ならD(亜寒帯・冷帯)、-3℃以上18℃未満ならC:温帯、18℃以上ならばA:熱帯となります。

熱帯・温帯・冷帯の判別法

 

A:熱帯気候

A熱帯気候の条件は、最寒月の平均気温が18℃以上であることです。

更にAm,Af,Awは年間降水量と最小降水量月の降水量によって区別されます。

具体的な分け方は以下の「A:熱帯の降水量による区別」を参照して下さい。

熱帯気候の分類法

 

As:サバナ気候

サバンナとも言います。A:熱帯+s(夏季乾燥)気候です。

Af:熱帯雨林気候

A熱帯に属し、さらにfが付いていますから常時湿潤な気候です。これを熱帯雨林気候と言います。

アジアであれば、東南アジア諸国のジャングル、南米大陸ではアマゾン川流域が該当します。

Am:モンスーン気候

A:熱帯+m(Mittelform:中間の意味だったので、地理的にはAfとAsの間に位置します)

モンスーンの影響を受けるエリアです。

 

B:乾燥気候

コツ(2)でも書きましたが、Wは砂漠のドイツ語 から来ており、Sはステップ気候のドイツ語Steppen 由来です。

BWは年間降水量が250(mm)未満、BSは250(mm)~500(mm)と今の所は覚えておいて下さい。

BW:砂漠気候

その名の通り砂漠です。主な砂漠には、アフリカ大陸のサハラ砂漠、サウジアラビア近辺の中東地域、中央アジア〜中国にあるゴビ砂漠、オーストラリアの大部分を占める砂漠です。

「砂漠」というと砂ばかりの様なイメージを持ちがちですが、8割は岩だらけの岩砂漠です。

BS:ステップ気候

ステップ気候は、主に砂漠の周りに存在します。

BWで挙げた有名な砂漠の周辺に注目すると、取り囲む様にBSが分布していることがわかると思います。

<気候区分図を再掲します。砂漠気候BWとその周辺をチェックしてみて下さい!>

ケッペンの気候区分図

 

C:湿潤気候

C:湿潤気候の条件は、最寒月の平均気温が-3℃〜18℃最暖月の平均気温が10℃以上であることです。

小文字のwとs、fの意味はコツ(2)の通りです。

 

Cfa:温暖湿潤気候

Cfは、初めのルール(1)(2)より、C:温帯+f:常時湿潤に加えて、三文字目に「a」と「b」が加わりさらに分類されます。

aとbの意味:aは最暖月の平均気温が22℃以上、bは22℃未満を意味します。

 

Cfb:西岸海洋性気候

その名の通り、大陸の西に位置します。ヨーロッパの西部、アメリカ〜カナダの太平洋岸、ニュージーランド等。

Cs:地中海性気候

Cs=C:温帯+s(夏季乾燥=夏に少雨)な気候で、『地中海性気候』と名付けられています。

以前も紹介した、地理の学習において非常に重要な気候の一つです。

「地中海」という名前が付いていますが、地中海沿岸(スペイン〜イタリア〜モロッコ)だけでなく、

南アフリカ南部、アメリカのカリフォルニア州、日本では瀬戸内海にも存在します。

 

D:亜寒帯気候

亜寒帯(冷帯)気候Dの条件は、最寒月の平均気温が-3℃未満、最暖月の平均気温が10℃〜であることです。

 

Dw:亜寒帯冬季少雨気候

D:亜寒帯+w:冬季乾燥=亜寒帯冬季少雨気候です。

13種類の気候区分中最も面積が広いです。<概略図参照>

Df:亜寒帯湿潤気候

D:亜寒帯 +f:常時湿潤=亜寒帯湿潤気候です。

Dwに対して、Dfは限られた地域にのみ存在します。主にユーラシア大陸北東部(朝鮮半島・シベリア等)

E:寒帯

寒帯気候の条件は、最暖月の平均気温が10℃未満であることです。

寒帯の判別法

Tはツンドラ気候の意味です。さらにFは氷雪気候(Frost)より

ET:ツンドラ気候

更に、最暖月の平均気温が0℃〜10℃ならば「ツンドラ気候」

ほぼ極地とその周辺で、極寒の世界です。樹々は育たず、コケなどの一部のみが存在します。

EF:氷雪気候

最暖月の平均気温が0℃未満なら「氷雪気候」となります。

氷雪気候はツンドラ気候よりも更に厳しい環境にあり、一部の菌類などを除いて植物は存在しません。

ケッペンの気候区分のまとめと次回(大地形)予告

さて、かなりザックリと紹介しましたが、それでも結構な量になりました。以下のまとめ(覚え方)と記事のイラストを見ながら

よく復習しておいて下さい。

・地理は気候区分と大地形を先に抑える

・はじめは大雑把で良いので全体像を捉える(後から詳細な知識を増やしていく)

・ケッペンの気候区分の一文字目の大文字A〜Eを覚えて

・二文字目のs,f,w,mを組み合わせる

・細かい基準は、今後紹介する「大地形や大気の循環、海流などの影響」を学びながら『自然に覚えていく』

地理B攻略シリーズ一覧

第一回:「受験生・社会人の方へ:地理のすゝめ

第二回:「系統地理と地誌の違いと地理勉強法のコツ

第三回:「今ココです」

次回:「地理B第四回:大地形・大気の循環ほか(系統地理)」を製作中です。

 

今回も最後までご覧いただき本当に有難うございました。

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