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ここから始める有機化学(1)

<この記事の対象者>:有機化学を0から学ぶorブランクがあって学び直したい人。

<この記事・シリーズの内容>:『暗記』分野と思われがちな『有機化学』を、最小限の記憶でマスターしていくシリーズです。

もちろん覚えないといけない事もありますが、”コツ”や“仕組み”などを使ってなるべく楽に、早く【高校レベルの有機化学】の全体像をつかめるように解説していきます。

有機化学と”有機”とは?

さて、有機化学の”有機”の意味・由来を知っているでしょうか?

元々有機化合物と呼ばれるものは、『生物』のみが「無機物」から生み出す(作り出す)ことのできる物質だと考えられてきました。 

生命が”有”る ものが作り出すから”有”機、一方”無”機物質は鉱物などに代表されるように”生命”が”無”いものから発生するから『無機』と言うイメージです。

これが昔の定義だったのですが、『ウェーラー』が”尿素(有機化合物)”\(\mathrm{(NH_{2})_{2}CO}\)を【無機物から合成】することに成功します。

つまり、生命を介さずに実験室で作り出せてしまいました。

これによって、生命の関与という基準で区別していた”有機”・”無機”の意味があいまいになってしまいました。

が、これらの言葉は現在も用いられており、ざっくりした基準として『CとH』:つまり炭素と水素から成る(炭化水素)ものを有機物質、それ以外を無機物質として分けることになり今に至ります。

頻出元素一覧と『手の数』

上の項で、炭素・水素からなる炭化水素が有機物質の基本であることを紹介しました。

実際にはCHを骨格にして、複数の(高校レベルでは数種類)の元素がくっ付くことで色々な役割を果たしたり、特徴が決まります。

以下の電子対と手(ウデ)のイメージ図とともに、それぞれの元素について見ていきましょう。

有機化合物と元素の”ウデ”(電子対)のイメージ

(電子対や電子式/構造式は←の記事で詳しく解説しています。)

C:最重要元素【炭素】

先ほども紹介したように、炭素がなければ有機化合物では無いという不可欠な元素です。

さらにそれだけではなく、炭素Cには『不対電子が4つある=結合するウデ(手)が4本ある』(上のイメージ図参照)

ことから、あらゆる種類の結合が可能になり、その結果として、膨大な種類の有機化合物が作られる原因になっています。

H:水素

次に水素です。Hも炭素同様「炭化水素」を作るために必須の元素です。

ただし、水素の不対電子は1個だけなので、ウデも1本、ゆえに水素原子1個に対して原則として一つの元素としか結合できません。

O:酸素

C,H,に次ぐ重要元素です。特にCHOで出来た化合物は炭水化物(炭素プラス水)と呼びます。

ウデが二本(ーOー)あるためさまざまな結合(記事後半で解説します)や、官能基(〃)にほとんど含まれます。

N:窒素

窒素は4番目に多く登場する元素です。

ウデは3本です。

他にも【ハロゲン】など・・・

F:フッ素

Cl:塩素

Br:臭素

I:ヨウ素

これらの周期表で17族にある”ハロゲン”は、電子配置を書けばすぐに分かりますが、不対電子一つ→ウデが1本です。

有機化合物のメイン(の骨格)となるものではないですが、水素原子などと置き換わったり(置換)、付加反応によってくっ付き、いろいろな性質を与えることがあります。

※:有機分野ではハロゲンの呼び方がその元素と少し違う点↓に注意が必要です!

ex )

F→フルオロ〜

Cl→クロロ〜

Br→ブロモ〜

I→ヨード〜

 

有機化合物の種類/分類

上で紹介した様に、有機化合物は文字通り無数の種類(組み合わせ)があるので、一定のルールによってグループ分けをします。

炭化水素を構造で分ける

一つ目は、炭素Cのつながり方によって分類するものです。

鎖式(脂肪族)

くさり(鎖)の文字がある様に、炭素骨格が基本的にまっすぐつながっているものの事を言います。

その中でも、"完全な直線"である「直鎖」と"枝分かれ"が存在する「鎖状」に分類できます。

・アルカン(CnH2n+2)

・アルケン(CnH2n)

・アルキン(CnH2n-2)

(以下の脂環式炭化水素とともに「第二回:鎖式・脂環式有機化合物の総整理」で詳しく解説します。)

環式

”環式”炭化水素は「Cどうしがつながって”環”状になっているもの」を含むものの事です。

脂環式有機化合物

『脂環式』→『脂肪族』+『環式』炭化水素

で、基本的にはベンゼン環を含まない環状の炭化水素であると考えておいてください。

種類

シクロアルカン(CnH2n)

シクロアルケン(CnH2n-2)

芳香族(ベンゼン環を含むもの)

有機化学で出てくる“環式炭化水素”はこの【芳香族化合物】の方が圧倒的に多いです。

芳香族化合物とは、C6H6で表される、ベンゼン環を含む有機化合物の総称です。

官能基(functional group)とは

function=機能、の意味があるようにCH骨格にくっついて「何らかの性質や特徴など」を与えるもののことを言います。

この(〜基や〜結合という名前が付いています)官能基によってもグループ分けをすることが出来、有機化学を学ぶ上で最重要なものの一つです。

具体的に見ていきましょう。

(炭化水素基)

ーCH3 メチル基

ーC2H5 エチル基

ー(C6H5:ベンゼン環) 

・・・この炭化水素基は無数にあるので、特別に覚えておくと有利になるもの(登場した時に★をつけていきます)以外は、暗記の必要はありません、

それ以外(こちらがメインです。)

それぞれの詳細(特徴や名前、検出する為の実験etc,,,)はシリーズの中で繰り返し説明しますが、大まかなものとして

ーOH:ヒドロキシ基

ーOー:エーテル

ーCHO:アルデヒド基

ーCOOH:カルボキシル基

ーCOOー:エステル結合

ーCOー:ケトン基

ーNH2:アミノ基

ーNO2:ニトロ基

ーSO3H:スルホ基

ーCONHー:アミド結合

があります。少しずつ覚えて行くようにしましょう。

有機化合物の主だった官能基(functional-group)の構造まとめ

【例】メタンにヒドロキシ基が結合した時の名称

(CH4)+(ーOH)

CH3OH→メタン+アルコール→メタノール

0から有機(1)まとめと次回へ

今回はザッと『基本的な有機化合物』の分類などを紹介しました。

ものすごくたくさん覚える事があって、大変そうに感じる人も多いと思います。

が、実際にはある程度『理解』(理論化学の知識も重要です)が進む事によって、初めの頃のイメージより暗記しなければいけないものの量は圧倒的に少ない事がわかってきます。

化学は理解すると大変楽しい学問です。

ぜひこのシリーズを通して有機化学を得意にしていきましょう!

関連記事と続編へ

(有機シリーズ【第1回】):「(今ここです)有機化学シリーズ其の一」

(有機シリーズ【第2回】):「【脂肪族『飽和/不飽和』炭化水素】アル”カ”ン・アル”キ”ン・アル”ケ”ンとは?そして覚え方のコツ

第三回:「ベンゼンと芳香族化合物の整理(作成中)」

〜〜〜有機構造決定シリーズ〜〜〜

第一回:「元素分析と分子式までの決定方法・計算問題

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