弦の振動/線密度/縦波と横波

<この記事の内容>:片側が音叉(おんさ)やスピーカー、もう一方が重りなどで固定され、両端が固定端となる「弦」の振動について、基礎から有名公式、力学とのちょっとした融合問題まで、イラストを使いながら紹介しました。

<この記事に関係するページ>:「開管・閉管による気柱の共鳴と振動」でも、今回と同様に縦波の振動について解説しています。あわせてご覧ください。

弦の振動(準備編)

弦の振動の前に、『線密度ρ』や力学の振り返りを行います。

線密度と張力・弦を伝わる速さ

$$線密度\rho=\frac{弦の重さ(Kg)}{弦の長さ(m)}$$

$$v=\sqrt{\frac{T(N)}{\rho (Kg/m)}}$$

弦を伝わる速さをVとすると、上のように弦の張力Tを線密度ρ(=弦の重さ/長さ)でわり、ルートをとることで求まります。

(単位を調べてみると、$$分母のT(N)=T(Kg\times \frac{m}{s^{2}})、分子\rhoは\frac{Kg}{m}$$

整理して2乗を外すと確かに\(\frac{m}{s}\)となります。

音叉(おんさ)と弦の振動の問題編

ここから具体的な問題を通して、知識と解法を定着させていきます。

音叉の向きで答えが異なる【要注意】

前半の問題1と後半の問題2の違い(特に問題2)に注意しながら、基本問題の解き方を習得していきましょう。

弦の振動方向と音叉の振動方向が同じ場合

問題1:今以下の<図1>のように、弦の片側を『f(Hz)』で振動する音叉に、もう片方を1(Kg)の重りにつなげた。

音叉から滑車部分までの弦の長さは6(m)で、その質量は0.003(Kg)であった。

重力加速度\(gを9.8(m/s^{2})\)とするとき、次の  (1)〜(4)に答えよ。

(1):線密度ρ(Kg/m)を求めよ。

(2):張力Tは何Nか?

(3):弦を伝わる波の速さV(m/s)を求めよ。

(4):おんさから滑車部分までの間に、腹が3つできた。このおんさの振動数f(Hz)を求めよ。

音叉と弦の振動方向が一致(問題1のイメージ)

<問題図1>

 

解説編

問題文は長いですが、ひとつひとつ解いていきましょう。

(1):まずは、「線密度ρ=弦の質量÷長さ」より、\(\frac{0.003}{6}=5.0\times 10^{-4}\)

よって、\(\rho=5.0\times 10^{-4}(Kg/m)\)・・・(1)の答

(2):次は張力です。力の矢印は書き込みませんが、mg=T で釣り合っており、m=1(Kg),g=9.8(m/s^2)であることから、\(T(N)=1(kg)\times 9.8(m/s^{2})\)

より、T=9.8(N)。・・・(2)の答

(3):『弦を伝わる波の速さの公式』より、1と2で求めたρとTを公式に代入して、

$$V=\sqrt{\frac{T}{\rho}}=\sqrt{\frac{9.8}{5.0\times 10^{-4}}}$$

これを解くと、\(V=10\sqrt{196}=140(m/s)\)・・・(答)

(4):いよいよ最後の問題です。

弦に腹が三つできた(下の図2参照)ということは、6mの弦が定常波の波長3/2つ分\(=\frac{3\lambda}{2}\)であることが分かります。

よって、\(\lambda=4(m)、V=\lambda\times f \)の公式に当てはめると\(140=4\times f \)。

ゆえに、振動数:f=35(Hz)・・・(答)

音叉問題1の解説:腹の数

<解答イラスト2(問4)>

90度違う場合

上述したように、この弦の振動方向(上下方向)と、おんさの振動方向(左右)が違う場合は特によく出題され、間違えやすいので注意が必要です。

問題2:弦の長さや質量、張力などの各条件は問題1と同じで音叉のみ弦と垂直に向きを90°変えた。このとき、弦の振動数は何Hzになるか答えよ。

音叉の振動方向と弦が垂直の場合の問題イラスト

解説編

解答(問題2):これは一度やっておかないと戸惑う問題です。

横向きの音叉の場合は、弦と音叉の振動数が一致していました。

が、向きが90°変わって、垂直になると音叉の半分の振動数が弦の振動数と同じになります。

(音叉が図2の横向きに一周期振動する間、弦は半周期分しか振動していません)

したがって、f/2=17.5(Hz)・・・(答)

 

定着問題

音叉の代わりに、振動数が400(Hz)のスピーカーを問1の様に取り付けると、20個の腹が出来た。

弦の長さが0.1(m)、\(線密度\rho=5\cdot 10^{-3}(N/m)\)である時

(一):波長λ

(二):弦を伝わる速さV

(三):弦にかかる張力の大きさ

をそれぞれ求めよ。

解答解説(定着問題)

解答(一),(二):弦からスピーカーに変わっていますが、問題1と同じように解いていけば良いです。

重りの質量がわかりませんが、20個の腹が0.1(m)の弦に出来ていることから、10波長(λ)分の長さが0.1(m)にあたります。λ=0.01(m)

よって、V=fλより\(V=400\times 0.01 \leftrightarrow V=4(m/s)\)

解答(三):$$V=\sqrt{\frac{T(N)}{\rho (Kg/m)}}$$

この公式を思い出して、$$4=\sqrt{\frac{T}{5\cdot 10^{-3}}}$$

これを計算すると、張力は正なので、\(T=8.0\times 10^{-2}(N)\cdots (答)\)

弦の振動まとめ

・波動の分野の中でも、力学の知識が若干必要とされます。

・弦と波の進む方向について(今回の問1・問2)は非常によく問われるので、振動方向同じ→f同じ。

振動方向が垂直→fが半分。という事を必ず頭に入れておきましょう。

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ドップラー効果の仕組み・シリーズ1

(光波):様々な光波の干渉実験の仕組みと問題の解き方

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最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

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