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安田周平
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分子式や組成式など化学式まとめ

<この記事の内容>:一般的に『化学式』としてまとめられる、”組成式”と”分子式”や、”示性式”と”構造式”など違いがわかりづらい『〇〇式』を具体例をあげながら詳しく説明します。

組成式と分子式

まず組成式・分子式から見ていきます。

組成式とは

組成式とは、ある化合物の”元素”の数を最も小さな(簡単な)整数比で表したものです。\(\mathrm{CH}_{3}\mathrm{COOH}\)(酢酸)ならば\(\mathrm{C}_{2}\mathrm{H}_{4}\mathrm{O}_{2}\)が次に紹介する分子式なのですが、組成式では\(\mathrm{CH}_{2}\mathrm{O}\)となります。

また、金属結晶・イオン結合でできた結晶・共有結合でできた結晶など『比』で表せない化合物も組成式で示されます。

(組成式の例):\(\mathrm{Au}\)(金:金属),\(\mathrm{CuCl}_{2}\)(イオン結合でできている),\(\mathrm{SiO}_{2}\)、C(ダイヤモンド・黒鉛)、\(\mathrm{Si}\)(巨大な共有結合結晶),etc,,,

分子式とは

分子式は、今回紹介している化学式の中でも最も馴染みのある式かと思います。

化合物中の原子の数をそのまま表した式です。(例):\(\mathrm{CO}_{2},\mathrm{C}_{2}\mathrm{H}_{4}\),など・・・

また、注意が必要な点として高分子化合物のうち、単量体が結合・縮合などを繰り返してできた『ポリマー』もこの分子式で表します。「高分子化合物シリーズ(1)

\([-\mathrm{C}_{2}\mathrm{H}_{2}-]-_{m}\)(ポリエチレン)

式の右下に書かれている”m”は重合度といい、何個の単量体(モノマー)が集まっているかを示します。

組成式(実験式)・分子式の見分け方

この2つの見分け方として、イオン結合している化合物・金属・そして共有結合結晶は『組成式』、それ以外は『分子式』と判別することが多いです。

しかし、有機構造決定などでは実験によって”まず組成式が求まる(これを実験式という風に区別する場合もあります)”ので、組成式で表されているからといって、その化合物が分子式で表されないわけではない(ややこしいですね)ことには注意が必要です。

構造式と示性式

さて、ここで扱う構造式・示性式は主に有機化学で登場するものです。

構造式とは

構造式は、化合物の原子構造を示したものです。

といっても一通りの決まった表し方があるわけではなく、同じ化合物でも以下の例のように様々な書き方があります。

(入試などでは)はじめに”例”として構造式の書き方を指定している場合が多いです。

構造式の書き方の一例

構造式の例:図左は酢酸:右側は(高校化学ではそれほど登場機会はありませんが)C・Hを省略したバージョンです。

示性式とは

示性式はその長表しているように”性質”を”示”す”式”と考えましょう。

つまり、官能基などの特徴的な〜基を取り出して表示している化学式ということです。「有機化学(1):基礎〜分類をわかりやすく

有機化合物の主だった官能基(functional-group)の構造まとめ

(ex):分子式で\(\mathrm{C}_{2}\mathrm{H}_{6}\mathrm{O}\)で表される”エタノール”ならば、\(\mathrm{C}_{2}\mathrm{H}_{5}\mathrm{OH}\)と「ヒドロキシ基-OH」を抜き出して描きます。

同じ分子式でも、

\(\mathrm{CH}_{3}\mathrm{OCH}_{3}\)(エーテル結合ーOー)を抜き出した”ジメチルエーテル”のような別の化合物であることもあります。

(この二つは”分子式”C2H6O・”組成式”共に同じですが、”示性式”で表すことで違いがはっきりとわかります!有機構造決定では、この違いを見分けていくことがキーになります。)

組成式〜構造式まで化学式まとめ

化学式には、大きく分けて

・分子式

・組成式(実験式)

・構造式

・示性式

があり、特に注意するところは『共有結合結晶が組成式で表される』、『構造式には何通りもの描き方がある』、『(構造決定で極めて大切になる)組成式が同じで示性式が異なる(or)分子式が異なる別の化学物質』がある点など。

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