ベクトルの一次独立って何?「わかった!」を増やします~数bベクトル

 

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今回のテーマは「ベクトルの一次独立」です。

 

この記事の前に、係数和1の法則の記事位置ベクトルの記事を読んでおくと理解しやすいです。

『ベクトルがさっぱり分からない!』という人には、じめから教える数学Bベクトル入門第1回→コチラからご覧下さい。

#2018/05/22更新

ベクトルの一次独立実践編←を執筆しました!

この記事と行き来して是非一次独立をマスター

して下さい!

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このあたりから本格的に分からない!と言う人が出て来るので、さらに丁寧に解説して行きます。

(零(ゼロ)ベクトルや線分の種類などが曖昧な人は、入門第1回を先に読んで貰った方が理解しやすいです。)

そもそも一次独立ってなんなんだ!?言葉の意味も分からん、、、

回は世の中には色々な「線」があって、ベクトルはその中の「有向線分」(向きがある線分)なんだよと言う話をしました。

線分:「線」の中で、両端が決まっているものの事。

今平面上にベクトルが一つだけあるとします。これを、仮にVベクトルとします。

始点(矢印で無い方のベクトルの端)を原点Oに置いて、向き(傾き)と大きさ(長さ)を決めると、矢印の先(終点)は一つの座標に決まります。

このはじめのVベクトルを、あえて「2つのベクトルの和を使って表しましょう」と言う考え方が一次独立の出発点です

ここで何でわざわざ2つにベクトルを増やすんだ!一つでもややこしいのに(怒)と言う人もいるでしょう。

しかし数学に無駄な事は有りません。意味があるから面倒くさいと思われる事をしているのです。その意味は、この記事の後半(ベクトルの一次独立の応用)の所で扱います。

”ベクトルの一次独立”〜とは何か

 

先程2つのベクトルで一つのベクトルを表すと言いました。この2つのベクトルをbベクトルとcベクトルと置きます(文字はなんでもokです)

そしてVベクトルを表して行きます。

ここで一次独立の意味を書きます。

一次独立とは、平面上にある2つのベクトル:bベクトルとcベクトルが、bベクトル≠0ベクトル、かつ、cベクトル≠0ベクトルで、bベクトルとcベクトルが並行でない時、

その平面上のどんなベクトル(図1ではaベクトル)でもbベクトルとcベクトルの和で表せ、bおよびcベクトルの各々の係数はただ一通りに決まる事を言います。

文字で書くとややこしく感じるので<図1>をご覧ください。

なお一次独立の厳密な定義は記事の一番下に載せてあります(高校生/受験生には必要ないです)

#2018/06/30更新

一次独立の意味と証明編」を更新しましたので、さきに上の記事をご覧いただいた方が、ここから後の内容が早く理解できるかと思います。

一次独立とは

 

<図1>中のaベクトルも「一次独立」なbベクトルとcベクトルの和で表せます。

この様な時aベクトル=sb +tc の様に表現する事でが多いです。

このbベクトルとcベクトルに付いている各々sとtと言う係数数字を変化させる事で、aベクトルをsbベクトル+tcベクトルで表しています。

 

ベクトルの一次独立補足

<図3>

ベクトルの一次独立の応用

ではベクトルの一次独立はどう言う風に役に立つのでしょうか?実際に例題を使って説明して行きます。

(例題)三角形ABCの辺ABを2:1に内分した点をD、辺ACを1:1に内分した点をEとして、BE、CDの交点をFとする。この時ベクトルAFをベクトルAB(=ベクトルaとする)とベクトルAC(=ベクトルcとする)で表せ。

 

・・・例題の文章で嫌になっている人も居ると思うので下の図4で解答、解説を行います。

 

ベクトルの一次独立例題1

手順1:「ベクトルの一次独立」の性質よりAFを2通りで表す。

手順2:2通りで表したAFは同じものなので「係数が同じ」より、係数比較する。

手順3:係数比較したものを連立してs、tを求めてベクトルAF=aベクトルとcベクトルの係数に代入する。

ベクトルの一次独立問題

一次独立問題解説

<図4>

順を追って説明します。この問題は、よく「交点の位置ベクトル」と言う範囲で頻出のタイプです。

初めて解く人にはややこしいですが、慣れるとただの計算問題になります。

 

手順1:問題はベクトルAFを書け。となっています。どんなベクトルも一次独立な2つのベクトルの和で表す事ができ、その2つのベクトルの係数はただ一通りしかないのでした。

という事は、ベクトルAFを二通りの2つのベクトルの和で表せれば、ベクトルの係数は一致するので、2つの文字で二通りの式が出来る事から、連立方程式を解く要領で係数を求める事が出来ます。

したがって、ベクトルAFを2つのベクトル、ベクトルAB(aベクトル)とベクトルAC(cベクトル)で表す方法を2通り考えて見ましょう。

ここで知っておくべき公式を紹介しておきます。

ベクトルの内分公式

三角形ABCがあった時、BCを1:2に内分した点をDとする。

この時、ベクトルAD=(2/3)AB+(1/3)ACと表すことができます。

<図5>を見てください。この様に内分した点の左右での比(ここでは1:2)をクロス(たすきがけの要領です)して足したものとして、内分点を表すことができます。

 

ベクトルの内分公式

<図5>

 

では手順1に戻ります。

ベクトルの内分公式より、BF:FEとDF:FCが分かれば、クロスしてベクトルAFを2つ求める事が出来ます。

が、二つの比が分かりません!こう言う時は、なんでもいいので適当な文字で勝手に比を置いてしまって良いです。

但し、必ず比を足したら1になる様に設定して下さい。<図4>でもS:(1−S)とt:(1ーt)と置いていますが、どちらも足して1になりますね?

何故線分を内分した点の比の和が1になるかはこの記事→係数和1の法則の意味と理由をご覧下さい。

手順2

ベクトルAFが、内分公式より2通りに表せました。ベクトルAFは一次独立な2つのベクトルaとcで表しているので、当然同じものになるはずです。と言う事は、先程から述べている様にベクトルaとベクトルcの係数は同じになります。

そこで、係数比較をすると、<図4>の丸1・丸2の様に2つの連立方程式ができます。

これを解いていくと、sとtが求まります。

手順3

後はsでもtでもどちらでもいいので、求まったs/tをベクトルaとベクトルcの係数に代入します。これで、ベクトルAFをベクトルaとベクトルcで表せました

 

・・・大分長文になりましたが、理解できましたか?

 

この種類の問題は本当によく出題される上、高校分野でのベクトルの中で最重要な公式や解法が詰まっているので

避けて通れないところなのです。分かりにくいところは何回も読んでみて下さい、そして理解出来たと思ったらどの教科書や問題集でも類題があるので解いてみて下さい。

分からない所があれば、コメント欄に質問を書いて貰えれば出来る限り解説します。

を公開しました。リンクからご覧いただけます。

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お疲れ様でした。
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追記と訂正:2018/3/19

一次独立の厳密な定義は以下の引用の様になります。理解できなくても構わないと言う表現について、コメントを頂いたので本連載のスタンスを書いておきたいと思います。
このシリーズではなるべく平易かつ多くの人に理解してもらう為、ある程度感覚的に分かるようにしています。木を見て森を見ずになっては意味が無いと思うからです。ですので、大体高校数学レベルが分かった!となった時、大学以降の線形代数学に入って下さい。

*(このカッコ内の内容は理解できなくて構いません。

ベクトル空間 V の部分集合 S は線型従属でないとき S は線型独立 (一次独立)であるという。明示的には、任意の有限個の相異なるベクトル v1, v2, ..., vn ∈ S とスカラー a1, a2, ..., an に対して
a1v1+a2v2+⋯+anvn=0
ならば (a1, a2, ..., an) = (0, 0, ..., 0) となるとき S は線型独立であるという。言い換えると、集合が線型独立であるとは、集合のベクトルの線型結合によるゼロベクトルの表示が自明なものに限るということである。
引用元:Wikipedia線型独立
カッコ終わり)

 

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