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執筆者・編集者プロフィール
安田周平
個別指導塾YES/YESオンラインスクール塾長・船場物産株式会社代表取締役社長。
理数・情報系記事とデータサイエンスの為の基本レベルの線形代数等の解説記事を執筆しています。

ベクトルを初めから!ベクトル入門 第1回

 

このサイトを始めてから、ベクトルについて調べてたどり着いてくれた方が結構います。

また、特に文系の生徒で「よく分からない」という分野の筆頭がベクトルです。

そこで、なぜベクトルが分からないのか?分からないところが分からない!

という人向けにベクトル入門シリーズを書く事にしました。

・この記事では、まず「ベクトルとは何か」のなんとなくのイメージを例え話で紹介します。

・そして、数学が苦手な人ほどベクトルを習得するべきな理由

・更に実際にベクトルの勉強を始める基礎となる、ベクトルの計算:ベクトルの足し算、引き算の仕方を解説します。

(順を追ってステップアップ出来る様にしますので、理系で一応使えるけど・・と言う方もサラッと目を通していって下さい。

「必要なところだけ」じっくり読んでもらうなりはてブ!しておくなり自由にこのサイトを使っていって下さい)

ベクトルとは何か

さて、文系数学のほぼ最後にいきなりよくわからない矢印が登場します。

多くの人がここで悩む訳ですが、それにはいくつか理由があるのです。

それは、これまで習ってきた数学・算数では「スカラー量」と言って、数の大きさだけを扱っていました。

しかし、ベクトルだけはこれまでのどの分野とも違う「ベクトル量」(そのままです)を扱っているのです。

スカラー量とベクトル量ってどう違うの?

ベクトル量は数の大きさだけでなく、向きも同時に扱うのです。

つまり、これまでの数(スカラー)=1つの文字に1つの情報(数の大きさ)だったのに対して、

ベクトルは=1つの文字に2つの情報(向きと大きさ)も含まれるのです。

この説明でもピンとこない人が多いと思います。

この新しい考えがベクトルの理解を大変にしている原因であり、

この基礎的な理解が出来るかどうかで、単元全体の理解が大きく変わります。

そこで「スカラー」や「ベクトル」のイメージをつかむために例え話をつくってみました。

あなたが今A駅の駅前にいるとします。これから友達に教えてもらった情報でその家に向かいます。

スカラー量(以下スカラー君):が教えてくれた情報「A駅から500メートルの場所が僕の家だよ」

どうやらスカラー君は数の大きさの1情報しか教えてくれない様です。

しかしこれでは【A駅の周りの半径500メートルの円上】のどこにあるか分かりません。

ベクトル量(以下ベクトル君):が教えてくれた情報「A駅から東に500メートルの場所が僕の家だよ」

これなら確実にベクトル君の家にたどり着けそうですね!

理由は「東に」と「500メートル」という二つの情報が与えられるからです。

この違いがスカラー(量)とベクトル(量)の違いです。

実は、数学が苦手な人程ベクトルを習得すべき理由!

数学を苦手としている人は図形問題(数学A)が弱いことが多い傾向にあります。

これは、補助線が思い付かないといった「”閃き”と思われているもの≒センス」が無いと感じているからという側面が大きいと経験上感じます。

少なくとも高校数学レベルでは”閃き”ではなく「場数」を踏めばいいのですが、苦手科目の苦手分野で場数をふむと言うのは大変苦痛なものです。

小学校の算数で未知数「x」を使うことが許されず、つるかめ算や時計算等々に苦労した人も多いでしょう。

ところが中学校に入り、「x」を使えるようになると〇〇算など使わないようになります。

同様に図形問題においても「x」のような道具が存在します。

すでに紹介していますが、、それが「ベクトル」なのです。そして数学3の範囲では「複素数平面」も道具に加わります。

図形が閃き無しでほぼ計算で解き進めていけるようになる

これが、数学が得意でない人程ベクトルを習得すべき理由です。

ベクトルとは

さて、ベクトルとスカラーの性質の違いや、ベクトルを学ぶ利点が分かったところで、ベクトルとは何かを一から学んでいきましょう。

これまで我々は線というものを学んできました。線にはいくつかの分類があり、

直線・半直線・線分・そして「有向線分」が挙げられます。

直線、半直線、線分、ベクトルの違い

直線というのは、両端が無く永遠に続いていく線の事です。

半直線は、”半分”直線の名が示す通り、片方の端は固定されていますが、もう一方の端はこれまた永遠に続いて行きます。

線分は、直線の真逆と言っても良いでしょう。両端が決まっており、当然長さも決まっています

有向線分=ベクトルだ!!

では最後の有向線分はなんでしょうか?あまり聞きなれないですが、これこそベクトルの事なんです。

(以下の説明が難しいと感じたら、『線分の片方に矢印を付けたもの』が自由に動く=ベクトル)と取り敢えず理解しておいて下さい。

有向線分(=ベクトル)は、端は固定する事なく、自由に座標上を動いても同じだが、向きとその長さは決まっている線分のことを言います。

向きが有る(有向)+長さが決まっている(線分)の組合せだからです。

(これは先ほどの例え話に出てきた、「ベクトルは向きと大きさの2つの情報を持つ」ことと対応しています)

ちなみに、ベクトルの矢印の先の点を終点と言い、もう一方の端である点を始点といいます。

色々なベクトル

逆ベクトルとベクトルの相等

<図2>

ここからは図2と共にご覧ください。

ベクトルの相等

先ほどベクトルは、端は固定する事なく、自由に座標上を動いても同じ  と書きました。

ですから向きと長さが同じであれば、座標上のどの場所にいても同じベクトルであると言えます。これをベクトルの相等と言います。

単位ベクトル

単位ベクトルとは、長さ(大きさ)が1のベクトルの事を言います。

逆ベクトル

逆ベクトルは元々のベクトルと向きが逆で長さが同じベクトルの事です。

元のベクトルにー(マイナス)を付けたものが逆ベクトルと言うことも出来ます。

零ベクトル

零ベクトルは、始点と終点が同じベクトルの事です。始まりと終わりが同じと言うことは大きさが0です。

黒のベクトルと赤のベクトルは向き(傾き)が同じで大きさ(長さ)も同じなので、「ベクトルの相等」

より同じベクトルです。

青のベクトルは向きが逆で大きさ(長さ)が同じなので「逆ベクトル」と言います。

ベクトルの計算

ベクトルのイメージがつかめてきた所で、これからの勉強の基礎となる「ベクトルの計算」を解説していきます。

今回はベクトルの足し算と引き算です。

ベクトルの足し算

スカラーと違って、ベクトル量は向きと大きさを持っていました。

従って、その足し算や引き算も全く異なります。

図解の方が分かり易いので図3とともに説明します。

ベクトルの足し算は一つのベクトル(これをaベクトルとします)の終点(矢印の先)を、もう一つのベクトル(bベクトルとします)の始点にくっつけた時に、aベクトルの始点からbベクトルの終点に向けて新たな矢印を書くことができます。

(図中のベクトルc)このベクトルcがベクトルa+ベクトルbの答えになります。

だから、図中の足し算を式で書くと、\(\overrightarrow {a}+\overrightarrow {b}=\overrightarrow {c}\)と言う風に表せます。

 

ベクトルの足し算引き算

 

ベクトルOP、OQ、PQでの解説図↓

ベクトルの加法・減法のイメージ図1

<図3>

ベクトルの引き算

次に、ベクトルの引き算を習得しましょう。

実は、引き算はベクトルの足し算を理解できればとても簡単です。

aベクトルからbベクトルを引くことを考えてみます。

式では、\(\overrightarrow {a}-\overrightarrow {b}\)こう表せますね。

この時のbベクトルのー(マイナス)に注目してみてください。

上の色々なベクトルで、逆ベクトルというものを紹介しました。

大きさが同じで、向きが逆のベクトルのことを“逆ベクトル”と言うのでした。ベクトルにー(マイナス)がつくと、向きが逆になります。

ベクトルの引き算=逆ベクトルとの足し算だ!

つまり、aベクトルーbベクトルは、aベクトル+(bベクトルの逆ベクトル)と言う様に、ベクトルの足し算に変換することが出来ます。

従って、図の様にaベクトルの終点にbベクトルを大きさはそのままで、向きを逆にしたものを足し合わせます。

そのaベクトルの始点からbベクトルの逆の終点に向けて描いた矢印が、aベクトルからbベクトルを引いたもの=ベクトルの引き算の結果になります。

ここまで、ベクトルの足し算引き算を学んできましたが、ベクトルの掛け算(内積、外積と言います)も存在します。

これは、今後ベクトルの問題を解いて行く上で必ず使うものなので、

ぜひその解説記事をご覧下さい!

次の記事「ベクトルの内積がわかる!ベクトル同士の掛け算の正体」を読む

まとめとベクトルの記事一覧へ

さて、ベクトルに苦手意識がある人にとっては結構内容が濃く大変だったかもしれません。

何回か記事を読んで復習をしておいて下さい。そして簡単な問題にチャレンジしてみて、わからない所があればまたこの記事を見てみる。

これを何回か繰り返していけば、ベクトルの基礎は確実に習得できます。

そして、少し難しい内容が出てきたら、該当するこのサイトのベクトルの記事を読んで見て下さい。

次回はベクトル次の壁「係数和1の法則」を掲載して行きます。

今回の様に本当にはじめから解説していくので、これまで毛嫌いしていた人も是非お読み下さい。

次の記事「ベクトル問題で必須の「係数の和が1」になる条件とその理由」を読む

ベクトルの解説記事をもっと→「ベクトルとは?ゼロから始める徹底解説記事まとめ」読む。

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