同じ文字を含む文字列から任意の個数を取り出す
今回は、場合の数の例題を通して公式や解法がすぐに使えない時や、思い付かない時にどう対応するか、その一つを解説していきます。
(問題は場合の数分野ですが、整数や数列など他の分野でも同じ考え方で解いていきます)
#2018/12/26最新版に更新
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場合の数の公式が使えない!
(例題1ー1)AABBBCCの文字列から4つの文字を取り出す組み合わせの場合の数を求めよ
(例題1ー2)AABBBCCの文字列から4つの文字を取り出して並べる順列の数を求めよ。
この類いの問題で厄介なのは、全ての文字を取り出す訳ではないという点です。
すなわち、例題1ー2では、「同じものを含む順列」の解法がそのまま使えないということです。
仮に全ての文字を取り出して並べるのならば、一旦AABBBCCの各文字を全て違う文字と見て、
(A1、A2、B1、B2、B3、C1、C2)の様に異なる7文字を並べる順列(7!)通りから
(AA)(BBB)(CC)と本来同じ文字であった重複分を割る(2!・3!・2!)事によって答えを求める事が出来ます。
(7!)/(2!3!2!) =210通り//
今回はAABBBCCから先に「4つの文字」を取り出すので、その4つの文字が分からない以上、勝手に重複分を割ることが出来ません。
※よくある間違い:(7C4÷2!2!)の様に勝手に選んで勝手に重複分を割る※
この様な計算は、選んだ4つの文字が2つの異なる文字2つずつの時しか正しくないので、今回の様な、どの文字を取り出すか分からない時には使えません!
ではどうするか?
<場合の数と確率に王道無し!公式が使えないなら手を動かす>
実際に(例題1ー1)の取り出し方を書いて調べます。
(AABB),(AABC),(AACC),(ABBB),(ABBC),(ABCC),(BBBC),(BBCC)
の8通りです。従って(解答1-1)8通り//
次に(例題1ー2)です。いくら手を動かすと言っても、いつまでも書き出していては進歩がありません。
「公式ダメ→書き出す→規則の発見やしぼり込み→規則のもとで公式を使う」
これは今回の様な教科書の内容レベルから、最難関大クラスの入試問題までひろく通用する問題の解き方の流れです。
)例題1ー2)で言えば、同じものを並べる順列の公式が使えないのは「4つの文字が何か分からないので」重複分の割り算が出来ないからでした。
しかし、【「書き出す」ことで8通りの取り出し方がある事がわかった】ので、(例題1ー1)の8つそれぞれに公式を適用して、足し合わせてあげればいい事が分かります。
解答1ー2:
例題1ー1で書き出した、(AABB),(AABC),(AACC),(ABBB),(ABBC),(ABCC),(BBBC),(BBCC)
から
(一)同じ文字が2つ2つ:(AABB)、,(AACC)、(BBCC)
(二)同じ文字が1つ3つ:(ABBB)、(BBBC),
(三)同じ文字が1つ1つ2つ:(AABC),(ABBC),(ABCC)
に分けて同じ文字を含む4つの文字の順列として解いていきます。
(一):4!/2!2! が3つ→6・3=18通り
(二):4!/3!1! が2つ → 4・2=8通り
(三):4!/2!1!1! が3つ→12・3=36通り
以上より(一)〜(三)を合わせて62通り//
まとめ:書き出すことでネックが解消出来る
この様に、一見既知の公式や解法が使えない場合には、
何とか公式を使おうとするのでは無く、潔く書き出す事で、公式が使えない“ネック(原因)”になっていた部分が解消出来る事がよくあります。
今回紹介した例題は簡単なものでしたが、レベルが上がるに連れて、今回の内容がいかに重要かわかる様になってきます。
今回もご覧いただき有難うございました。
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