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執筆者・編集者プロフィール
安田周平
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天然高分子化合物第3回

この記事では、高校有機化学(天然高分子)シリーズ第3回として、”タンパク質の構造とDNA/RNA”について紹介していきます。

天然高分子シリーズ目次

・この記事とシリーズを読むべき理由
・天然高分子化学の概観
・基本単位(モノマー)である“アミノ酸”
・双性イオンと等電点
・覚えておくべき接頭辞
・アミノ酸を覚える前に
・主要なアミノ酸の名称・性質
・ペプチドとは?
・タンパク質とペプチドの違い

天然高分子化合物第一回「天然高分子の概観と主なアミノ酸の種類/性質

第2回の記事でまとめた内容

・タンパク質/ペプチドの検出方法

・検出反応の仕組み

タンパク質とペプチドの検出方法4選と反応の仕組み

今回まとめる内容

・タンパク質の構造

・タンパク質の性質と各種タンパク質

・DNAとRNAの基本単位「ヌクレオチド」

・DNAとRNAの構造とその相違点

・リボースとデオキシリボースの違い

・塩基について

次回以降にまとめる内容

・糖類概観

・単糖類の種類と性質

・二糖類の種類と性質

・多糖類の構造と性質

 

第3回タンパク質〜DNAとRNA

タンパク質の構造

αーアミノ酸をモノマー(単量体)として、それらがペプチド結合を繰り返して、巨大な分子になったものがタンパク質です。

そのタンパク質も、立体的に様々な構造を取ります。今回はそのまとめです。

タンパク質の一次構造

一次構造はアミノ酸が一列に並んだ直鎖状をしています。

H2Nーアミノ酸Aーアミノ酸B=アミノ酸C・・・ーCOOH

タンパク質の二次構造

ペプチド結合ーCONHー中のNとH、CとOの電気陰性度の違いによって、Hδ +とOδ−が生じ、その引力でO・・・H間の水素結合が生じます。

それによって立体的な構造が作り出されます。

代表的なものに、螺旋状のαーヘリックスと屏風の様なβシートがあります。

タンパク質の2次構造(αーヘリックスとβシート)

 

タンパク質の三次構造

ペプチドの側鎖同士が、水素結合/ジスルフィド結合(SーS)/分子間力、クーロン力などによって結合し、折り畳まれた状態です。

 

タンパク質の四次構造

三次構造のタンパク質が集まってひとつのタンパク質になったものです。後述する球状タンパク質や繊維状タンパク質が四次構造に当たります。

 

(参考)タンパク質の一次構造から四次構造までの経過

author CNX OpenStax

タンパク質の変性

変性:タンパク質が強酸や強塩基、熱などによって三次構造を形作る各種の結合が切断され性質が変わる事。

タンパク質は一度変性すると、元に戻らない(不可逆)事もよく聞かれます。

色々なタンパク質

・α−アミノ酸についての補足:アミノ基とカルボキシル基が同一炭素に結合しているアミノ酸をα−アミノ酸と呼びます。

単純タンパク質:α−アミノ酸のみで構成されたタンパク質

複合タンパク質:α−アミノ酸以外の成分も含むタンパク質(色素を含んだり、鉄を含んだヘモグロビン等々)

繊維状タンパク質:ポリペプチド鎖が複数集まって束になったもの。髪の毛や爪などは繊維状タンパク質で出来ています。

球状タンパク質:ポリペプチド鎖が集まって球体状になったもの。

DNAとRNA

ここからは生命の基本となる分野に入って行きます。

DNAとRNAの構造

ヌクレオチド

リン酸+糖+塩基から成り、DNAやRNAの基本単位であるものをヌクレオチドと言います。

ヌクレオチド中の糖の3位に結合しているーOH基と、別のヌクレオチドのリン酸が次々と結合して一本の鎖ができます。

DNA(デオキシリボ核酸)とRNA(リボ核酸)を構成するヌクレオチドの違いは大きく2つあり、

一つは構成する糖の種類が違う事、

また一つは塩基の種類が違う事です。

リボースとデオキシリボース

ヌクレオド(糖 +塩基)とヌクレオド(ヌクレオシド +リン酸)に注意!

リボースとデオキシリボース

DNA/RNA共に五炭糖を持ちますが、

DNAを構成する糖(デオキシリボース)は、名前にデオキシ(de-oxy)とついている様にRNAを構成する糖(リボース)からoxygen(酸素)が1つ無くなっています

図解している様に、リボースの2位のーOH基がデオキシリボースではーHに置換されています。(つまりOが一つ無い)

DNAを構成する糖:デオキシリボース

RNAを構成する糖:リボース

ヌクレオチドを構成する塩基

塩基は、DNA/RNAとも4種のうち3種類は同じですが、残りの一つだけ(DNAチミン、RNAウラシル)が違います。

DNAの塩基

Aアデニン、Gグアニン、Cシトシン、Tチミン

RNAの塩基

Aアデニン、Gグアニン、Cシトシン、Uウラシル

また、ヌクレオチド中の塩基はそれぞれ相手となる塩基が決まっており、その配列の組合せで遺伝情報が決まります。

DNAの塩基のペア

アデニンAとチミンT、

グアニンGとシトシンC

RNAの塩基のペア

アデニンAとウラシルU

グアニンGとシトシンC

 

出来れば、アデニン、チミン、グアニン、シトシン、ウラシルの5種類の塩基の構造は覚えておきましょう。(難関理系及び医歯薬獣医系は必須)

次回予告

次回は、糖類を扱います。最初は立体構造や単糖類の組み合わせなど、ややこしく感じる人が多い分野ですが、なるべく分かりやすく解説していきます!

天然高分子シリーズ一覧

第一回:「天然高分子の導入とアミノ酸

第二回:「ペプチドの検出反応の詳しい仕組み

第三回:「今ここです」

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今回もお疲れ様でした。

 

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