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執筆者・編集者プロフィール
安田周平
個別指導塾YES/YESオンラインスクール塾長・船場物産株式会社代表取締役社長。
理数・情報系記事とデータサイエンスの為の基本レベルの線形代数等の解説記事を執筆しています。

交点の位置ベクトルを解く

ベクトル方程式は苦手意識を持つ人が多いです。

この記事を読んでいるあなたもそうではないでしょうか?

今回はベクトル分野で頻出の交点に関する例題を通して、ベクトル方程式に慣れてもらえればと思います。

ベクトル方程式(直線)とは、「点aを通り傾きがdの時、u=a+tdで表される式」です。が、この説明がイマイチ良く分からない。もう少し詳しく説明すると、今適当な点Oから点aに向かい、dの傾きに沿って連なる点の集合です。

 

”わざわざある点aを経由して目標の点(傾きがdの線上)に向かう”というイメージです。

この「わざわざある点を通る」事により、応用が効く様になる上、計算量も減ります。

これだけでは??だと思うので、具体的に解説していきます。

例題で学ぶ

三角形ABCと点E、点Fがある。

但し、点Eは辺CAを5:1に内分、点Fは辺ABを1:3に内分した点である。BEとCFの交点をPとする。

(1)この時、ベクトルAPをベクトルABとベクトルACで表せ。

(2)この時、ベクトルAPと辺BCの交点をDとする。AP:PDの比を表せ。

ベクトル方程式例題1

 

 

 

 

 

 

 

この類の問題は、一度は目にしたことがあると思います。多くの場合、「sとtの二文字を用いて、点Pを通る辺を s:(1-s) と t:(1-t) に分けて、

ベクトルの内分点の公式を使い、sとtを求めて解く」という流れが一般的です。

しかし、この解法だと(2)では少し時間がかかり余りおススメ出来ません。

今回はこれをベクトル方程式で解いていきます。

途中で?な所が出てきても、読み進めていって下さい。何度かこのページを読んでいる内に段々と慣れて来ます。

(1)さて、ベクトルAPをベクトルABとACで表せとあるので、AP=x AB+y AC•••@といきなり設定してしまいましょう。xとyがわかればそれで答えが出ます。

ベクトル方程式は“わざわざある点を経由”でしたね。ここでわざわざ点Eを経由してみます。

問題文より、6AE= ACなので、@に代入すると、AP=x AB+6yAE … #1と表せます。

同じく、わざわざ点Fを経由します。

4AF= ABより、@に代入して
AP=4xAF+yAC …#2 と表せます。

ここで「係数和1の法則」という法則を知っておく必要があります。

#2018/04/07追記

係数和1の法則が使える条件と理由←このリンク先記事で「係数和1の法則」を解説しているので、曖昧な人は必ず読んで理解しておいて下さい。

これは、#1を例にすると、辺BE上に点Pが有れば、その係数 はx+6y=1となる 法則です。

これを用いて、
#1より x+6y=1
#2より 4x+y=1
この連立方程式を解くと、
x=5/23、y=3/23 となります。

よってAP=5/23AB+3/23AC (1了)

(2)問題文より、AD=k AP と表せる。

これにAP=5/23AB+3/23ACを代入して

AD=k・5/23AB+k・3/23AC #3

DはBC上の点でしたよね?ここでも「係数和1」が使えます。

ベクトルの共線条件を分かりやすく解説

つまり、5k/23+3k/23=1
よって、8k/23=1、 k=23/8となります。

AD=k AP から、AからPまでの距離を8とすると、ADの距離は23になるという事です。

従って、APDは一直線上にあるから、

AP:PD=8:15 (2了)

少し大変だったと思います。是非繰り返し読んで、類題を実際に解いてみて下さい。

特に(1)ではベクトル方程式を使わない解答が多いかも知れません。

しかし何通りかのアプローチの仕方を持っていると、思わぬ効果が得られる事があるので是非「ベクトルを0から解説!記事総まとめページ」←の記事で身につけてもらえたらと思います。

お疲れ様でしたm(._.)m

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