~能動態と受動態 その②~
今回は前回:「英文法:受動態の基本と書き換え(1)」に引き続いて、受け身形について様々な表現方法を紹介します。
<SVO+to不定詞>や<SV+that節>、その他の受動態
群動詞の受動態
受動態の慣用表現
<プラスα>高校では習わない!?受動態の裏側
目次(タップした所へ飛びます)
SVO+to不定詞やSV+that節、他の受動態
まず<SVO+to不定詞>ですが、決して難しいものではありません。早速具体的にみていきましょう。
SVO+to不定詞の受け身/書き換え
今までのようにto不定詞の訳し方は「~するために」「~するように」「~するための」と変わりません。
(参照:「to不定詞の意味と3用法まとめ」)
また、to不定詞は過去分詞のすぐ後ろに置きます。
例:She was told to explain why she was late. (彼女は遅れた理由を説明するようにと言われた。)
SV+that節の受け身形/書き換え
次に<SV+that節>ですが、こちらもto不定詞のとき同様特別な訳し方はありませんが、形は少し特別ですので例文を使って説明します。
例:They say that he is a genius. (彼は天才だと言われている。)という文章を受動態を用いて表現したい時、
①「it is said that~」
②「be said to~」
と2つの方法で表現できます。
訳はどちらも「~と言われている」です。
まず①「it is said that~」というのは、that節を主語にとり形式主語“it”に置き換えることを指します。
→ It is said that he is a genius.
となります。
そして②「be said to~」というのは、さらに特別な構文でthat節内の主語(この場合だとhe)を主語にとる時に使います。
→He is said to be a genius. となります。
また”say”の他に”think(思う)”,”consider(考える)”,”suppose(思う)”などのthat節を率いる動詞も「it is thought that~」「be thought to~」のように表すことができます。
その他の受動態
最後に“その他”の受動態を紹介します。to不定詞の後に受動文を組み込む「to+be+過去分詞」という形です。
例:We laught at him.(私たちは彼のことを笑った。)
He was laught at.(彼は人に笑われた)
このように、『by us』 や『 by them』 は特定の人たちを特にさす《指し示なくともわかり切っている場合》必要がなければ省略します。
群動詞の受動態
群動詞とは、【動詞】が《前置詞や副詞》とくっついて、1つの動詞の形となるものを指します。
群動詞を受動態にする時には、それらをひとまとまりと考えた上で、動詞を変化させます。
以下に主な群動詞を紹介します。
英作文などを行う際にも便利ですので、覚えておきましょう。
※:覚え方のコツやグループ分けの方法を随時追記していきます。
動詞+前置詞のtype
「look after~(~の世話をする)」/「speak(talk) to~(~に話しかける)」/「look for~(~を探す)」/「laugh at~(~を笑う)」/「aim at~(~を狙う)」/「hear of(~のうわさ(消息)を聞く)」/「send for~(~を呼びにやる)」
動詞+副詞のtype
「give up ~(~を諦める)」/「bring up~(~を育てる)」/「put off~(~を延期する)」/「put out~(~を消す)」/「put away~(~を片付ける)」/
昔のTVはツマミを回して(turn)スイッチをオンオフしていました。
「turn on~(~をつける)」/「turn off~(~を消す)」/
「take off~(~を取り外す)」
動詞+副詞+前置詞のtype
〜up with系
「keep up with~(~に遅れないようについていく)」/「catch up with~(~に追いつく)」/「put up with~(~を我慢する)」/
「do away with~(~を廃止する)」/
「look forward to~(~を楽しみにする)」/
up/downで意味が逆になる
「look up to(~を尊敬する)」/「look down on~(~を軽蔑する)」
動詞+名詞+前置詞のtype
「take care of~(~の世話をする)」/「make use of~(~を利用する)」/「catch sight of~(~を見つける)」/「lose sight of~(~を見失う)」 /「make fun of~(~をからかう)」
これら群動詞は一定の訳し方があるので暗記して定着させるのがいいでしょう。
受動態の慣用表現
受動態は基本的に”by”を使って「~によって」と原因や対象を表現しますが、”by”以外にも“at”や“with”で表現する慣用表現が存在します。
こちらも一定の英語の書き方、訳し方がありますので定着させましょう。
感情:原因がby以外の前置詞で表されるもの
以下で、色々な前置詞ごとに分けてまとめています。ただ丸暗記するよりも、特に“前置詞”に関しては【その単語そのものが持つイメージ】や、【その歴史】を知ることによって一気に記憶しやすくなるので、
「(近日公開予定)前置詞のまとめとそのイメージ」や、「前置詞だけをまとめた参考書」などを利用することをおすすめしています。
“at”編~
まずは「at」を使うものです。
「be shocked at~(~にショックを受ける)」/「be disappointed at~(~に失望する)」
/「be surprised at~(~に驚く)」
“with”編~
次に【with】
「be pleased with~(~を喜んでいる)」/「be satisfied with~(~に満足している)」/
「be covered with~(~に覆われている)」/「be crowded with~(~で混んでいる)」/「be filled with(~で満たされている)」
“of”編~
「of」
「be tired of~(~に飽きている)」/「be convinced of~(~を確信している)」/「be made of(~でできている(材料))」
その他
「be interested in~(~に興味がある)」/「be worried about~(~を心配してい る)」/「be accustomed to~(~に慣れている)」/「be known to~(~に知られている)」/「be made from(~でできている(原料))」
+α高校では習わない!?受動態の裏側
このブロックでは、あまり高校では教えてくれないプラスαのことを書いていきます。
例えば
「能動文と受動文の意味は変わらないは本当?」
を例文と共に紹介します。
例:Tom invited me to the party.
→ I was invited to the party by Tom.
I invited Tom to the party.
→ Tom was invited to the party by me.
例の二個目を和訳すると
「トムは私によってパーティーに誘われた」となり、不自然な感じがします。
このように、受け身の動作主(by以下)には一人称が来ることは実際あまりありません。
一人称が主語の能動文を“わざわざ”受け身の形に書き換えるのは、特殊な意味の場合以外では不自然なのです。
一般的に能動態と受動態は同じ意味・状況を表すと習いますが、実際は形が違えば意味も違い、またそのそれぞれに意味特徴があり、簡単に言い換えられるわけではないこともあるので注意しましょう。
書き換えQ&A
Q:以下の英文を訳してみましょう。
I am pleased with the news that the new plan was accepted by the president.
<be pleased with~>は上で紹介した慣用表現、<that>以下はただの受動態ですので<that>以下から訳していきます。
A:その新しい計画が社長に承認されたという知らせを聞いて喜んでいる。
Q:以下の文を英語に書き換えてみましょう。
映画が上映されているので劇場に入ることができない。
進行形+受動態の形に注意。
A: A movie is being played, so we can’t enter the theater.
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